エンベッドとは何か?Webに携わっていると耳にする用語をembedタグとともに解説

2020年10月2日

Webサイトの打ち合わせで耳にする「エンベッド」

Webサイトの打ち合わせをしている際に「エンベッド」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
例えば、「ここにYoutubeの動画がエンベッドされている」「ここにfacebookのリンクがエンベッドされている」というように使います。

なんとなく文脈からも判断できそうですが、エンベッドというのは、「埋め込み」を意味しています。

つまり、先ほどの会話を翻訳すると、「ここにYoutubeの動画が埋め込まれている」「ここにfacebookのリンクが埋め込まれている」ということになります。

埋め込みのためのembedタグなるものも存在する

なぜ埋め込みだけ「エンベッド」と、わざわざ英語で話すことがあるのでしょうか?
理由の1つとしては、そもそも埋め込みのためのembedタグなるものがあることが挙げられるでしょう。

embedタグは動画や音声、FlashなどをWebサイトに埋め込む際に使用されていました。
つまり、以下のように記述することで、動画や音声を呼び出していました。

<embed src="XXX">

このembedタグは、Netscape2によって導入され、 90年代初頭 のInternet Explorer 3にも採用されました。
embedタグはHTMLの標準ではなかったのですが、市場のブラウザによって広くサポートされていたため、動画や音声、Flashの埋め込みに使用されていました[1]embed element

今日においては、Flashのサポートが2020年12月に切れ、動画なども独自のタグが使用されるようになりました。
そのため、現在はembedタグ自体を目にすることは少なくなってきたのですが、その時のなごりから、埋め込みを行うことを「エンベッド」と呼ぶこともあります。

埋め込みの際の注意

ミックスドコンテンツにならないように気を付けよう

昨今では、上に掲載したYoutube動画のように、さまざまなWebアプリケーションの機能を一部埋め込むことによって、Webサイトのコンテンツを充実させています。

しかし、埋め込みの際はいくつか注意も必要です。
その1つがミックスドコンテンツにならないようにすることです。

ミックスドコンテンツとは、情報を暗号化したhttpsのページに暗号化されていないhttpのWebアプリケーションからの情報を埋め込むなどすることによって発生します。
通信の安全のためにhttps化しているのにもかかわらず、安全に問題のあるhttpの情報を読み込むことは好ましくないため、ブラウザに警告が出るほか、最悪の場合Webサイトが見られなくなってしまいます。
Webサイトが見られなくなったということにならないよう、埋め込む内容が安全なものかどうかを確かめておきましょう。

ページの表示速度への影響を考える

ページの表示速度も、外部のWebアプリケーションの機能を埋め込む際に注意しなければなりません。

Youtubeの動画を例に挙げると、この動画をWebページに埋め込んだ場合、Webページが表示される際に埋め込みの際に使ったコードが反応し、Youtubeに動画の情報をとりに行きます。

つまり、YoutubeとYoutubeの動画を埋め込んだWebページとの間にも通信が発生します。
そのため、埋め込みの数が多くなっていくと、通信量が多くなるため、なかなかWebページが表示されないなどの現象が発生します。

このように、機能を埋め込むのは簡単ですが、ページの表示速度とも相談し、外部のWebアプリケーションの機能を使うのか、それとも自前でシステムを構築するのかの判断をしていく必要があります。