シックスハット思考法(6つの帽子思考法)の黒い帽子について解説

2023年3月3日

シックスハット思考法(6つの帽子思考法)とは、「水平思考」の生みの親であるエドワード・デボノ(Edward Charles Francis Publius de Bono)が提唱した思考法です。
今回はその6つの帽子の1つである「黒い帽子」について解説していきます。

シックスハット思考法とは?

シックスハット思考法は、人間の一般的な性格を6つの帽子に当てはめて、その性格を持った人になりきって、会議などで意見を出していく方法です

シックスハット思考法については、下記の記事もご参照ください。

問題解決における黒い帽子の役割

黒い帽子は、「悲観的」で物事の問題点や注意点を指摘する役割があります。
物事を批判的に見て、マイナス面を伝えるのですが、同じ6つの帽子の1つである赤い帽子のように直観的ではいけません。こちらは論理的であることが求められます。
警戒心を持ってそのテーマについて注意深く考えるので、リスクを抑えることができます。

この帽子の注意点は、「使いすぎない」ということです
物事を批判することは簡単で、中には批判する行為そのものを楽しんでいる人もいます。しかし、会議は相手を打ち負かす場ではありません。黒い帽子を使うのは、注意点や問題点を見つけ出すことが目的です。だからこそ、黒い帽子は使いすぎてはいけません。

使われる場面

黒い帽子は、アイデアの評価、またそのアイデアを出す企画時にも利用されます。
企画段階に用いられる黒い帽子は、出たアイデアのデメリットや弱点を指摘する役割を持っています。事前に訂正することで、結論が出てから「このやり方はやっぱりダメだった」といった失敗を防げます。
このように黒い帽子を有効に使えれば、時間短縮にもつながり、効率的に話し合いを進められるでしょう。

黒い帽子で考える

ここで「事故の多い、魔の交差点の事故を減らすための施策を考える会議」を想定して、黒い帽子を使った考え方を紹介していきます。
この会議では、「事故が多い」という問題を解決するためのアイデアを出していかなければなりません。しかし、「ああしよう」「こうしよう」と言うだけでは、風呂敷を広げただけの議論になってしまいます。
そこで「黒い帽子をかぶりましょう」と話し、批判的な意見を投げかけます。

  • 「もともと信号の待ち時間の秒数やサイクルは、横断歩道の長さや交通量を考慮した上で決められているのだから、それを変える意見には賛成できない」
  • 「1回の青の時間を短くし、信号が切り替わるサイクルを早める案は、青の時間が短すぎて横断歩道を渡りきれない人が多数生まれる懸念があります」

黒い帽子は、物事を話し合う中で出たアイデアや意見の誤りを指摘することもできます。途中で誤りに気づくことができれば、話し合いの軌道修正も可能です。

  • 「配られた資料の数字が間違っています」

このような指摘も黒い帽子がしますが、会議の途中でいつでも発言していいわけではありません。話し合いの間に批判が必要な事柄が出てきたときは、それをメモしておき、黒い帽子をかぶるタイミングで、指摘するようにしてください。

まとめ

黒い帽子はリスクを見極め、矛盾点を洗い出すなど、ビジネスにおいて重要な役割を持っています。しかし、批判は何に対しても簡単にできてしまいます。乱用ではなく、適切に、適度に黒い帽子を使うことを心がけてください。