行為の7段階理論(ドナルド・ノーマンの7つの段階)とは何か?マーケティングやUI/UXで用いられる理論を解説

2022年2月18日

行為の7段階理論の概要

行為の7段階のイメージ

行為の7段階理論とは、人は特定の行動をするときに「ゴール」「プラン」「詳細化」「実行」「知覚」「解釈」「比較」の7つの段階を経るという考えです[1]D. A. … Continue reading。7つの段階に含まれませんが、行為のきっかけとなる「外界」という要素を加え、行為の7段階理論は人間の行動を分析していきます。

例として「本を読んでいたら日が落ちて暗くなったので、部屋の明かりの強さを1つ上げた」という行動を行為の7段階理論で説明していきます。
「日が落ちて暗くなった」というのは、外界の変化です。このように多くの行為は外界の変化をきっかけに開始されます。そして、「日が落ちて暗くなった」という外界の変化を「知覚」の段階で認識し、「それがどういうことなのか」を「解釈」の段階で考えます。この例でのゴール(目標)が「本を読むこと」だとすると、「比較」の段階では外界の変化がどのようなゴールにどのような影響を与えるかを考え、「ゴール」の段階で、あらためてゴールを形成します。
「プラン」の段階では本を読み続けるためにどうすればよいのかを考え、「詳細化」の段階でさらにその計画を詰めていきます。そして、「実行」の段階に入り、「部屋の明かりの強さを1つ上げた」という行為に出ます。

この行為の7段階は「実行」の段階が終われば完全に終了するというものではありません。先ほどの例であれば、明かりの強さを1つ上げてもまだ読書をするには暗いという場合は、その結果を「知覚」の段階で認知し、再度行為の7段階を踏んでいきます。

行為の7段階理論はマーケティングの分野では消費者の行動を分析する際に用いられ、UI/UXの分野では、製品に対してどのような行動を取るのかを考える際に使われます。

イベント駆動型行動とゴール駆動型行動

先ほどは、外界の変化を受けて行動した例を紹介しました。この例のように、外界に何かしらの変化があったため、行動を起こすことを「イベント駆動型行動」と呼びます。
これに対して、何かしらの目標があり、それに向かって行動することを「ゴール駆動型行動」と呼びます。

ゴールの見極めが大切

今回は行為の7段階を解説してきました。
ビジネスでは特定の商品に対して、消費者がどのような行動を取るのかを分析する際に行為の7段階を用います。しかし、杓子定規に行為の7段階を使うだけではいけません。
陥りがちな失敗として、「消費者のゴールを見誤る」というものがあります。
たとえば、先ほどは読書をしていた人が夜になったため、部屋をより明るくするという行動に出たという場面を考えましたが、もしかするとその人にとって「明るさを強くする」というのは最良の目標ではないかもしれません。
夜までの暇つぶしに本を読んでいる人であれば、周囲が暗くなれば読書を止めるだけですし、そもそも読み上げてくれるオーディオブックを望んでいるかもしれません。
マーケティングの世界には「人は1/4インチのドリルが欲しいのではなく、1/4インチの穴が欲しい」という言葉がありますが、消費者が本当に求めているゴールを見きわめなければ、行為の7段階を活用することはできません。
行為の7段階を使う際は、消費者のニーズの分析をあわせて行うとよいでしょう。

1D. A. ノーマン(著)、岡本明・安村通晃・伊賀聡一郎・野島久雄(訳)『誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論』新曜社、2015年、58頁。