シャープさんのX(旧twitter)はいつから面白かったのか?
企業のSNSマーケティングの代表例

シャープ株式会社のX(以下シャープさん)は、企業のSNSマーケティングの成功例として、さまざまなブログや書籍で取り上げられています。
2024年1月30日現在で、シャープさんのアカウントは83.1万人からフォローされ、商品の紹介やマーケティングに関する投稿、そして何気ない投稿にまで、多くのいいねがつき、リポストされています。
ではなぜシャープさんはそんなに人気なのでしょうか?
今回はシャープさんの昔の投稿を振り返りながら、シャープさんの人気の秘密を考えていきます。
シャープさんのアカウントは2011年6月1日に誕生

シャープさんのアカウントは、Xがまだtwitterであった2011年6月1日に誕生します。
2024年1月30日現在のデータでは、リポストが419、いいねが739と、かなりの歓迎ムードでアカウントは始まりました。
しかし、その後はご祝儀的な反応はなくなり、直後のポストはいいねもリポストもされませんでした。
これは大企業のSNSでよくみられる現象で、開設時は物珍しさから多くの反応があるものの、その後は勢いを失ってしまうことが多々あります。

シャープさんも、投稿すれど、そこまで反応がないという時期が長く続きます。
アカウント開設から1年後の2012年6月1日のポストへの反応はコメント1とリポスト1のみでした。

しかし、約1年後の2013年5月31日の投稿には、現在の人気を思わせるような反応が多く寄せられています。
一体、この一年に何があったのでしょうか?
2012年の方針転換

実はシャープさんのアカウントは、寂しい誕生日を迎えた2012年6月以降徐々に方針を変えていきます。
それまで商品の説明や、説明ページの投稿が中心だったものが、ハッシュタグのテーマにのった投稿をしたり、他のアカウントに関係ある投稿をしたりと、企業ではないユーザーがするような投稿がメインになっていきます。
その結果、ユーザーからの反応も増え、ユーザーとのコミュニケーションが活発になっていきました。
ステークホルダーと関係性を醸成する

シャープさんのXの成功要因は何だったのでしょうか?
2024年1月26日にシャープさんは公益社団法人日本マーケティング協会のマーケティングの定義を引用した投稿をしています。
そこに書かれているように、シャープさんの成功要因は「ステークホルダーとの関係性の醸成」にあったと考えられます。
つまり、商品の顧客を含めたステークホルダーに「理解してもらおう」と、一方的に商品の情報を発信するのではなく、ステークホルダーとの関係を築こうと努力をされています。
シャープ株式会社の製品の顧客の中心は、一般的な家庭です。その顧客との関係性を築くためにSNSをしているのですから、肩ひじ張ったプレスリリースのような投稿では効果があげられません。
親近感のわく投稿を中心にしながら、ステークホルダーとの関係性を築いた点に、シャープさんのアカウントの成功があったのではないでしょうか。