スイッチとは何か?L2スイッチを中心に、ハブとの違いを含めて解説

2022年3月8日

スイッチの概要

スイッチとは、複数のPCやLANの接続を行うために使用されるネットワーク機器です。
スイッチングハブとも呼ばれます。
スイッチは機能により、L2スイッチとL3スイッチがあります。
L3スイッチはルータに近い機能を持った高度なスイッチです。
ここでは、一般的なL2スイッチについて説明します。

スイッチの主な機能

スイッチには下記のような機能があります。

  • スイッチング
  • VLAN
  • ループガード
  • リンクアグリゲーション

以下では、各機能について具体的に説明します。

スイッチング

スイッチングは、データ送信ポートを選択する機能です。
スイッチには、接続されている機器のMACアドレスを記憶する仕組みがあります。
ポートと接続された機器のMACアドレスを紐づけした対応表をMACアドレステーブルといいます。
MACアドレステーブルを参照して、必要なポートにのみ、データを送信する機能がスイッチングです。

VLAN

VLANとは、スイッチ内部で、論理的にLANセグメントを分割する機能です。
スイッチは、アドレスセグメントごとにグループを作ることができます。
グループ分けをすることで、無駄な通信を減らし、CPUの使用率を抑えることにつながります。
ただし、VLANと別のVLANの間では通信ができません。

複数の部署がある企業を例として説明します。
営業部のPCとサーバーにVLAN10、経理部のPCとサーバーにVLAN20を割り当てるとします。
営業部に所属しているPC間は、同じVLANに所属しているため、やりとりができます。
営業部のPCから営業部のサーバーにも同じ理由からアクセスができます。

しかし、営業部のPCと経理部のPC間は、別のVLANに所属しているため、やりとりができません。
営業部のPCから経理部のサーバーにも同じ理由からアクセスはできません。

営業部と経理部のように別VLAN間で通信をしたい場合は、VLAN間にルーティング機能を持つルータや、L3スイッチを用意する必要があります。

リンクアグリゲーション

リンクアグリゲーションとは、複数のポートを束ねて、1つのポートに見せる機能です。
リンクアグリゲーションを使用することで、通信帯域が向上します。
1つのポートで1Gの通信ができる場合、2つのポートを1つに束ねることで、理論上2Gの通信が可能となります。
また、リンクアグリゲーションには、冗長化の役割も備えています。
2つのポートのうち、1つに障害が起こった際に、残った1つのポートで通信できるため、通信に影響がありません。

ループガード

ループガードとは、通信のループを防止する機能です。
スイッチから送信されたデータが同じスイッチに戻ってくるような構成をループ構成と言います。
ネットワークにループ構成となる部分があると、通信の輻輳により、ネットワークが停止する危険があります。
ループは、ネットワーク設計のミスや、LANケーブルの誤接続などによって起こります。
ループが発生した場合、ループを自動的に感知し、対象のポートを切断する機能がループガードです。

スイッチの類似機器

以下では、スイッチと似た機能を持つ機器について説明します。

ハブ

スイッチと似た機器に、ハブがあります。
スイッチは、MACアドレステーブルを持ちます。
スイッチのポートごとに、つながっている機器がどんなMACアドレスを持っているか確認し、必要なポートのみにデータを送信します。
スイッチは必要なポート間のみでデータのやりとりを行うため、効率のよい通信が可能です。

一方ハブは、MACアドレステーブルを持ちません。
そのため、ハブは受信したデータを受信したポート以外のすべてのポートに送信します。
その分データのやりとりに無駄が多くなります。

PoEスイッチ

PoEスイッチは、PoE機能を備えたL2スイッチです。
PoEとは、Power over Ethernetの略で、LANケーブルを通して、電力を供給する技術です。
PoEスイッチを使用すると、通信と給電が同時に可能となります。
PoEスイッチに接続することで、ネットワーク監視カメラ、アクセスポイント、IP電話などのPoE対応製品が、電源不要で使用できます。
その他の機能は基本的にL2スイッチと同じです。

参考