Auth0とは何か?クラウドサービスやアプリで利用されている認証プラットフォームサービスを解説
Auth0の概要
Auth0とは、Auth0 Inc.が提供しているクラウドサービスやアプリで利用されている認証プラットフォームサービスのIDaaS(Identity as a Service)です。
IDaaSは、サービスのIDやパスワード管理やアクセス制御などの仕組みをSaaSやIaaSなどと同様にクラウド上で実現するサービスです。
従来のWebアプリケーションに対応していることはもちろん、「Mobile Native App」「Web API」「Single Page Application」などのオープンな認証・認可方式にも対応しています。
これまでに使われていた認証プラットフォームサービスは、独自プロトコルを使用している点で実装が非常に難しい上に時間がかかるという問題点がありました。
その問題点を解消していることから、Auth0は優秀な認証プラットフォームサービスと言えます。
Auth0の基本機能
Auth0には以下の基本機能が搭載されています。
シングルサインオン
シングルサインオンは、一度のユーザ認証処理で、Webサービス、アプリ、クラウドサービスなど独立した複数のソフトウェアシステム上にログインできるようにする機能です。
この機能によって、「Google Workspace」や「Microsoft 365」などの利用頻度の高いサービスに簡単にログイン可能です。
複数サービスのIDやパスワードを管理する手間が省けるため、余計なストレス削減や業務効率アップに繋がります。
ユニバーサルログイン
ユニバーサルログインは、中央認証サーバー経由でユーザーを認証する方法です。
ユーザーエクスペリエンスの簡略化、アプリ統合の効率化、管理の改善、認証セキュリティの向上といった利点があり、複数の多要素認証を組み合わせて利用することでより強固なセキュリティ対策にもなります。
アダプティブ多要素認証(Adaptive MFA)
「Google Authenticator」や「Duo」を活用することで多要素認証も実現可能です。
また、IDやパスワードの入力だけでログインするのではなく、SMSを利用したワンタイムパスワード、指紋認証や顔認証などユーザーの生体認証を活用することで、より本人認証の精度を高められます。
異常検出機能
Auth0の異常検出機能には、ブルートフォース攻撃からの保護、ログイン実行の繰り返しのブロック、無許可の試行について指定受信者への通知などのオプションが含まれています。
加えて、パスワードの侵害の検知機能を有効化することで、ユーザーは資格情報がセキュリティ違反した場合に通知を受けられます。
ログはそれぞれの拡張子を通して「Logstash」「Papertrail」「Splunk」などのプロバイダーにも送付可能です。
Auth0はなぜ必要なのか
ECサイトなどの会員制サービスを利用するにあたって認証・認可の仕組みには強固なセキュリティを考慮して設計を行う必要があります。
しかし、認証・認可の仕組みを設計するのには膨大な時間がかかり、実装したいと考えても時間や資源的に難しいことも少なくありません。
設計や実装の時間をできるだけかけずにIDaaSを導入したいと考えた時に、候補にあがるのがAuth0です。
Auth0は管理画面がシンプルで見やすいデザインとなっており、ユーザビリティが高いのも特徴と言えます。
また、ルール機能を活用することでユーザー属性の追加、ユーザーログイン後の追加処理、異常検知機能の閲覧など豊富な機能を追加可能なため、会社のセキュリティ方針に合わせたカスタマイズもできます。
ログ機能を活用すればユーザーの行動も視覚化可能です。
Auth0はこのような機能性の高さから、業務効率の向上や高いセキュリティ対策ができます。
ただし、機能性が高い分、セキュリティに関する知識や豊富な業務経験を持った人材がいないと、Auth0を満足に使いこなせない可能性があります。