コンフィグレーション・マネジメント・システムとは何か?プロジェクトの変更を管理する仕組み

2022年1月26日

コンフィグレーション・マネジメント・システムの概要

コンフィグレーション・マネジメント・システムは変更管理機能を備え、承認済みの管理項目のベースラインを管理するための仕組みを提供するプロセスです。
コンフィグレーション・マネジメント・システム(Configuration Management System)を紐解くと「Configuration」とは設定、構成、配置、構造、形状、形態などの意味を持つ英単語であり、「Management」は直訳すると経営や管理などの意味を持つものとなります。
コンフィグレーション・マネジメントは、一言で言い表すと「構成管理」を示しており、システムの機能と性能、及び信頼性などを担保するためにシステムを構成するドキュメント、開発ツール、ハードウェア、ソフトウェアを管理します。

コンフィグレーション・マネジメント・システムの歴史

コンフィグレーション・マネジメントは、第二次世界大戦時に物や材料の技術的管理手法として米空軍航空機の製造や運用にて開発され、その後、中長期に渡って使用される民生用の機器分野でも運用が広がりました。そして一般の工業規格を取り込み"National Consensus Standard for Configuration Management"として国際標準となります。
1982年に日本でも当時の防衛庁が米軍のMIL規格(一般的に米軍が必要とする様々な物資の調達に使われる規格)を基に、品質管理関係の共通仕様書を制定し、形態管理として要求されています。その後の国際的な動向も踏まえ「ISO 9001」を翻訳した「JIS Q 9001」の中でも採用され、形態管理として現在に至ります。

構成管理プロセスの5つの規則

ハードウェアとソフトウェアの構成要素について以下の5つの規則によってベースラインを確立しプロセス実行における標準化を実現します。

構成管理の計画と管理

構成管理プロセスの正式な手順書としては、人事関係、責任分担、要員、手順の定義や各種ツールの管理ガイドライン、ベースラインとなるプロセス、命名規則や監査、レビューなどが該当します。

構成識別

システムやサブシステムのアーキテクチャ、部品を任意の時点でどういった開発が必要かを定義します。これをベースラインとして識別、文書化し、設計から配備までを監視することで構成現況記録(CSA)を確立していきます。

構成制御

変更要求や提案を評価し、採用・不採用を決定するプロセスとなります。

構成現況記録

ハードウェアやソフトウェアといった構成要素について、設計・製造段階でベースラインから隔離した部分を記録するプロセスです。問題が発生した際など素早く特定できるようにします。

構成検証と監査

要求仕様を満たしているか、標準規格やベースラインに適合しているかといった観点でレビューを行います。監査では構成文章が実際の機能や物理的特性と正しく対応しているかを検証します。