ステークホルダー・マッピングとは何か?

2020年10月30日

ステークホルダー・マッピングの概要

ステークホルダー・マッピングとは、ひとつのサービスにかかわるステークホルダーの関係性を図にまとめることです。
一般的に、製品やサービスを提供する企業には多くのステークホルダーがかかわっています。その企業の製品・サービスを利用する顧客をはじめ、株主や協力関係を結んだ企業、さらにはその企業で働く従業員、そしてその家族などがステークホルダーとして挙げられます。
また、必ずしも直接的なビジネス上の関係ではなくとも、社会的意義という観点から、研究機関や地域コミュニティなどととも利害関係が生じているケースがあります。
例えば、「公園を作る」というプロジェクトでは、公園を新設しようとしている地域の住民がステークホルダーとなります。

このように、一口にステークホルダーと言っても、その種類は様々です。ステークホルダー・マッピングの目的は、このように多種多様のステークホルダーを識別子、そしてステークホルダー同士の関係性をマッピングしていくことです。
ステークホルダー・マッピングは製品開発・サービスデザインにおけるツールのひとつであり、安定的な製品・サービスの提供に向けて積極的に活用されています。

ステークホルダー・マップの作り方は、自社(あるいは製品・サービス)とそのステークホルダーを書き出し、関係性がわかるように線で結びます。その上で、サービスを進めるにあたっての障害や留意点を洗い出し、課題の解決につなげるという流れになります。ただし、決まった型があるわけではないため、作業手順や分析の仕方はケースによって異なります。

ステークホルダー・マッピングのメリット

ここからはステークホルダー・マッピングのメリットを紹介していきます。

ステークホルダー・マッピングの最大のメリットは、ステークホルダーを識別できるようになることです。
ステークホルダー・マッピングをすることにより、これまで把握してきたステークホルダーに加えて、関係性が薄いために見逃していたステークホルダーを識別できることもあります。
このように、ステークホルダー・マッピングの機会にすべてのステークホルダーを特定するため、改めて「誰とどのような関係にあったのか」を具体的に知ることができます。

また、製品やサービスを取り巻く因果関係がはっきりすることもポイントです。
ステークホルダーAに対して弊社が担う役割や、ステークホルダーBがステークホルダーCに対して担う役割など、それぞれのステークホルダーの相関関係と役割を明確に知ることができます。
サービスを提供する上でのさまざまな問題点の有無が見えてくるようになり、自社における課題やアプローチすべきこともはっきりするため、持続的なサービスの提供や改善につなげられるようになります。
結果として、自社とすべてのステークホルダーがメリットを享受し、利害関係の安定的な継続につながることが理想です。

ステークホルダー・マッピングの用途

参考画像1:ステークホルダー・マッピングのイメージ

ステークホルダー・マッピングは、利害関係者の存在するあらゆる組織で取り入れることができます。

ここでは、小売業を営む企業X社が、相関関係の分析のためにステークホルダー・マップを作成したとして、話を進めていきましょう。

X社は社内で話し合い、従業員、株主、顧客、パートナーというステークホルダーを洗い出しました。
各ステークホルダーに対し、X社が担う役割は以下の通りです。

  • 顧客…自社の役割:快適なライフスタイルの実現
  • 株主…自社の役割:ブランドバリューを向上させる中での株主還元
  • 従業員…自社の役割:働くモチベーションを高めるための環境整備
  • パートナー企業…自社の役割:Win-Winの関係の実現に向けた努力

次に、X社はステークホルダー同士がどのような関係にあるかをまとめました。

  • 顧客→株主…顧客満足度や収益率のアップに起因するブランドバリューの向上
  • 株主→従業員…株を長期保有する株主が増えることによる経営の安定化
  • 従業員→顧客…優れた商品や手厚いサービスの提供

以上の点を踏まえた上で、X社が自社のステークホルダーのためにできること、そしてステークホルダー同士の関係をより良いものにするために取り組むべき課題を洗い出し、業務改善に向けての方向性を示しました。
また、事業活動を展開する企業であれば、地域とのつながりも意識する必要があります。したがって、X社のサービスを取り巻くグループという枠を超え、地域コミュニティとの相関関係も意識し、自社として取り組むべき課題を明確にしました。

このように、ステークホルダー・マッピングにおいては企業活動の改善、そしてより良いサービスの提供のために役立てられています。

ステークホルダー・マッピングの次のステップ

突出モデルのステークホルダーの画像

ステークホルダー・マッピングは、PMBOKに則ったプロジェクトマネジメントの中ではステークホルダーの特定のプロセスで実施されます。
このステークホルダーの特定のプロセスでは、さらに詳しくステークホルダーを分析していきますが、その中で使われるのがステークホルダー・キューブ突出モデルです。
これらの手法ではさらに詳しくステークホルダーを分析し、対応方法を考えていきます。

これらの内容については、下記のページで解説していますので、よろしければご覧ください。