FortiGateのVDOMとは?VDOMの設定方法とVDOMを削除できない時に確認するポイント

2022年9月28日

FortiGateには、1台のFortiGate上に、仮想のFortiGateを構築するVDOMという機能があります。
本来複数のUTMを用意しなければならないネットワークでも、VDOMを使うことで、物理的にFortiGate1台にUTMを集約できます。複数のシステムを持つ大規模なネットワークで使われる場面が多い機能です。
本記事では、VDOMの設定方法や、VDOMを削除できない時に確認するポイントについて紹介します。

VDOMとは

VDOMは1台のFortiGateを複数の仮想ユニットに分割する機能です。VDOMごとにIPアドレスや、セキュリティポリシーを設定できます。
VDOMを設定した機器は、物理的にひとつの機器を通って通信しますが、内部的には独立しており、それぞれのルーティングポリシーに従って通信します。そのため、VDOM間でルーティングを許可しない限り、VDOM間は通信ができないため、注意が必要です。

VDOMの設定方法

FortiGateでVDOMを設定する手順は以下の通りです。

  1. VDOMの有効化
  2. VDOMの作成
  3. VDOMリンクの作成
  4. ポートの設定
  5. ポリシー、ルートの設定

GUIでも設定ができますが、ここではCLIでの設定方法とコマンドを紹介します。

VDOMの有効化

グローバル階層に移動し、VDOM機能を有効化します。

config system global
set vdom-admin enable

VDOMの作成

VDOM階層に移動し、新規VDOMを作成します。

config vdom
edit 【VDOM名】

VDOMリンクの作成

VDOMリンク階層に移動し、VDOMリンクを作成します。

config system vdom-link
edit 【VDOMリンク名】

VDOMリンクが作成できたら、インターフェース階層に移動し、作成したVDOMリンクを割り当てます。

config system interface
edit 【VDOMリンク名】
set vdom 【VDOM名】

ポートの設定

インターフェースにVDOMを割り当てます。

config system interface
edit internal【インターフェース番号】
set vdom 【VDOM名】

ポリシー、ルートの設定

作成したVDOMごとに設定が必要なこと以外は、通常の設定方法と変わりません。

VDOMを削除できない時に確認するポイント

VDOMを削除できない場合は、以下の2点を試してみましょう。

  • CLIコマンドで削除する
  • VDOMに紐づく設定を削除する

CLIコマンドで削除する

VDOMをGUIから削除した後、再び表示されてしまうこともあります。その場合は、CLIの削除コマンドを利用しましょう。

execute log device vdom delete

VDOMに紐づく設定を削除する

以下のようなエラーが表示されて削除できない場合があります。

The entry is used by other 3 entries

これは、削除したいVDOMが他の設定で使用されているため、削除できないというメッセージです。
参照されている該当の設定を削除することで、VDOMを削除できます。
VDOMリンクに紐づいているインターフェースや、ポリシー、ルートの設定を別のVDOMに移動するか、削除して、参照されている該当の設定をVDOMから除外しましょう。

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参考