キックオフミーティングはなぜ必要なのか?仕事の開始を確認する大切なイベント

2021年6月24日

仕事のスタート地点の認識は人によって違う

先日1本の動画を公開しました。

この動画は『要求仕様の探検学―設計に先立つ品質の作り込み』での小話を動画にしたものです[1]D.C. ゴーズ(著)、G.M. … Continue reading

この話は、仕事のスタート地点の認識は違うということを極端に表現したものですが、プロジェクトにおいて認識の差異が発生することはよくあります。

例えばWebサイトの制作をするプロジェクトで、制作を請け負った側は既に打ち合わせが開始していると思い情報収集をしようとしているのに、依頼側はその準備ができていないということがよくあります。

このような状態でそのままプロジェクトを進めていったとしても、プロジェクトの途中で「実はプロジェクトの初めから認識が違っていた」ということが分かり、プロジェクトが座礁してしまいます。

こうした認識の差異を発生させないためにも、キックオフミーティングは重要なイベントです。
キックオフミーティングではプロジェクト・メンバーの顔合わせだけで終わってしまうことがありますが、それは実にもったいないことです。
「このプロジェクトの目的をどの程度メンバーは理解しているのか」、「どのような理由でここに集まったか」、「プロジェクトに対してどのような要望をもっているのか」、こうしたことを話し合いながら、プロジェクト・メンバーがそれぞれどのような気持ちでキックオフミーティングに参加したかを共有するとよいでしょう。
中にはプロジェクトの目的を正確に理解している人もいれば、プロジェクトの目的からまだまだ変更が可能だと考えている人もいるかもしれません。
こうしたメンバーのズレを解消する場所として、キックオフミーティングを使うことをおすすめします。

1D.C. ゴーズ(著)、G.M. ワインバーグ(著)、黒田純一郎(監訳)、栁川志津子(訳)『要求仕様の探検学―設計に先立つ品質の作り込み』共立出版、1993年、51~52頁。