プロジェクト終盤でプロジェクト・マネジャーがすること【プロジェクトマネジメントの基礎】
プロジェクトで生み出そうとしていた製品やサービスが形になってきたら、プロジェクト・マネジャーはプロジェクト終結の準備をしていかなければなりません。
今回はプロジェクトの終盤でプロジェクト・マネジャーがすることを解説していきます。
プロジェクト終盤の3つのプロセス
プロジェクト終盤でプロジェクト・マネジャーが進めていかなければならない主なプロセスは以下の3つです。
- プロダクトの移管
- プロジェクトの終結
- ノウハウの蓄積
ここからは、これらのプロセスを解説していきます。
プロダクトの移管
プロジェクトが終盤に入ったら「プロダクトの移管」について考えなければなりません。
ここで言う「プロダクト」とは、プロジェクトで生み出した製品やサービスのことです。プロジェクトの目的物と言い換えても良いでしょう。
たとえば「独自の会計システムを開発する」というプロジェクトであれば、単に会計システムを開発するだけでは意味がなく、そのシステムを使う人(ユーザー)が使えるような状態になって、はじめてプロジェクトを実施した意味があります。
プロジェクトの終結
プロダクトの移管が完了したら、正式にプロジェクトを終結させていきます。
プロジェクト・マネジャーはプロジェクト・スポンサーなど、主要なステークホルダーとともに、プロジェクトを終わらせても問題がないかを確認していきます。
確認の際には、以下の資料を見返していくと良いでしょう。
- プロジェクトの企画書
- プロジェクト憲章
- RFP
- 要求登録簿
- 要件定義書
- WBS
プロジェクトの企画書やプロジェクト憲章には、プロジェクトの目標が記載されています。その目標が達成されているか、プロジェクトを終わらせる前に確認していきます。
また、RFPや要求登録簿、要件定義書、WBSなどには実現すべき機能が記載されています。プロジェクト中に開発すると決めた機能に漏れがないかを、これらの資料から確認していきます。
各種の資料を確認し、プロジェクトを終結しても問題がないと判断されれば、プロジェクトは終了です。
ノウハウの蓄積
プロジェクトを無事終結させることができたら、プロジェクトを振り返り、ノウハウの蓄積につなげることをおすすめします。
プロジェクトは全くトラブルが発生しないということはほとんどなく、大なり小なりのトラブルに見舞われます。
その対応の状況をノウハウとして蓄積することで、組織やチームを強化することができます。
ノウハウを蓄積する際は、反省会を開催すると良いでしょう。
「プロジェクトの納期や予算は守れたか?」「チーム・メンバーの良かった点」などを話し合っていきます。
反省会で見つかった問題や課題については、解決方法を話し合い、教訓として資料に蓄積していきます。この資料をPMBOKでは「教訓登録簿」と呼んでいます。
今後、プロジェクトを始める際は、教訓登録簿を見返すことで、過去にどのようなトラブルがあったのかを確認でき、対処法のヒントを知ることができます。
反省会や教訓登録簿については下記の記事もご参照ください。