スマートプロダクトとは何か?自律化したプロダクト

スマートプロダクトの概要

スマートプロダクトとは、主に製品そのものが『自律化』の機能を持つものを指します。
自律化とは、人間の指示なく機械が自ら状況を判断し、行動を実行できるような機能です。
今までの機械は『自動化』が基本でしたが、自律化はさらにその先を行く能力となります。

自動化と自律化の違い

『自動化』とは、人間が予め与えていた処理に従い、機械が動作する機能です。
自動化の基本的な行動は、『繰り返し』『ルール』『最適化』となります。自動化された機械は人間が与えたルールに従ってルーティンワークを繰り返し、センサーや記録を照合して状況を判断し、最適化を行います。
繰り返し<ルール<最適化の順に、より高度な処理とされています。
しかし、自動化はあくまで人間の指示が前提です。例外が発生したとき、判断を下すのは人間の役目となります。

『自律化』の基本的な行動は『判断』『発見』『発明』です。
自律化した機械は、認知機能や機械学習によって情報を整理・判断し、指示にない未知の条件に対しても対応できるようになります。
さらに過去の事実を照会し、新たな事実を発見することも可能です。さらには発見した事実を組み合わせ、今までなかった新しい物の発明を得意とする機械も存在します。
判断<発見<発明の順に、より高度な処理とされています。自律化機能の代表的な存在が「AI」です。

スマートプロダクトの例

昨今では、自律化したスマートプロダクトは身近なものとなってきています。
たとえば人の言葉に反応し、あらゆる機能を実行する「スマートフォン」や「AIスピーカー」もスマートプロダクトです。
自動車にも積極的にスマートプロダクトが導入されています。スマートプロダクトによる機能は自主的に車体を点検し、必要に応じてソフトウェアを更新したり、さらには自発的にエンジニアを派遣することも可能です。
また、生産現場でもスマートプロダクトによる自律化は重要視されています。あらゆる機械をインターネットでつなぎ、自律化させることで、労働力を削減することが可能です。生産現場は労働力の減少が進んでおり、自律化によってその損失を補うことが期待されています。また人手を削減することは、安全性の向上にも繋がります。

スマートプロダクトの課題

生活に密接した存在になりつつあるスマートプロダクトですが、自律化の柔軟性が課題となることもあります。
一つはソフトウェアの能力にハードウェアが追いつけない点です。自律化による情報収集は高速かつ大量のため、ハードウェアが保存できる容量を超えてしまい、未活用のまま情報を破棄せざるを得ないことがあります。
また自律化はその性質上、いつまでもアップデートが可能です。この「アップデートし続ける」という作業が、スマートプロダクトを扱う企業にとって大きな負担になることもあります。
これらの課題をいかに克服し、いかに効果的に自律化機能を扱えるかという点は、今後もスマートプロダクトにとって重要な論点と言えるでしょう。

参考