ペアプログラミングとは何か?進め方やメリット・デメリットを解説

ペアプログラミングとは

ペアプログラミングとは、1つのプログラムを2人で共同開発を行う手法です。2人で同時にプログラミングを行うのではなく、コーディングの担当(ドライバー)とソースコードの評価を行いながら問題の解決や提案、指導を行う担当(ナビゲーター)に分担して進めます。

ドライバーの役割

ドライバーはコーディングを担当します。一般的にはコーダーとしての経験が浅い人が担当し、スキルの高いナビゲーターの指示に従ってコーディングを進めていきます。そのため、コーディングスキルの低い初心者でも高い品質の成果物を作成することができ、修正箇所のミスやバグにも柔軟に対応できます。

ナビゲーターの役割

ナビゲーターは、ドライバーが記述したソースコードが適切なものかをチェックする評価作業(レビュー)を行い、発生した問題を解決するための指示を行います。開発内容によって複数のアルゴリズムから適切なソースコードを導き出し、ドライバーへの指示を行うことで、品質を高めるとともにドライバーへの教育も行うことができます。

ペアプログラミングの進め方

ペアプログラミングは、「ドライバー」と「ナビゲーター」のペアで構成されます。
作業環境として、ドライバーの作業をナビゲーターが確認できるようにします。この時、ナビゲーター用のディスプレイとドライバー用のディスプレイを用意し、同じ画面を共有できるようにすると、ドライバーの作業状況をナビゲーターが把握しやすくなるため効率的です。
今日では、物理的な距離が近くなくても、オンライン会議ツールの画面共有機能を使うことによって、遠隔でもナビゲーターのアドバイスを仰げるようになっています。

担当割りとして多くの場合、ドライバーを初心者、ナビゲーターを上級者が担当します。指示を出すナビゲーターが初心者だった場合、誤った指示や作業効率の低下に繋がるため、上級者が指示を行い、初心者が上級者の指示に従ってコーディングを行うパターンが一般的です。

ペアプログラミングのメリット

ペアプログラミングには、2人で作業を行う上での様々なメリットがあります。ここからはペアプログラミングのメリットを解説していきます。

作業ミスの軽減

ペアプログラミングでは、2人で作業を行うためミスに気が付く可能性を高めることができます。また、ナビゲーターがソースコードの評価(レビュー)を行いながら進めていくため、コーティングの段階でバグを発見しやすくなり、テスト実施前に修正することが可能です。そのため、テスト段階での細かいバグ修正を行う工数を削減できることから、テスト工程を円滑に進めることができます。

作業効率化

難易度の高い処理のアルゴリズム検討や、エラーの発生原因が分からない場合、解決策を見つけるまでに多大な時間をかけてしまうこともあります。特に初心者の場合はコーディング経験も浅く、対処方法について調べる時間がかかり、予定工数を大きく超過してしまう原因にもなってしまいます。そのため、経験の度合が異なる2人が同じソースコードを見ながら対応することで、異なる視点で検討が行えるため作業の効率化が見込めます。

知識の向上(教育)

ペアプログラミングは一般的に初心者と上級者がペアとなるため、分からない箇所や問題への対処として、上級者が指導を行うことで初心者の知識の向上を行うことができます。アルゴリズムの導き出し方やコーディング技術も学ぶことができるため、保守性の高いソースコードを指導でき、短時間での育成に有効な手法となります。
上級者側としても、初心者に対して指導を行う必要があるため、上級者自身の理解度や習熟度の向上も見込めます。

チームワークの向上

ペアプログラミングは上級者、初心者がペアとなってコーディングを進めていくため、エラーへの対処や改善策の提案、仕様への理解を共有しながら協力して進めることで、チームワークの向上も見込めます。指導しながら進めていくことでコミュニケーションも密に取ることができ、信頼関係を高めることもできます。

ペアプログラミングのデメリット

ペアプログラミングでは、品質を高めることや育成に関してのメリットが多くありますが、コーディングを2人1組で行うことでのデメリットもあります。
ここからはペアプログラミングのデメリットを解説します。

ナビゲーター(上級者)が手持ち無沙汰になる

初心者のスキルアップが見込めますが、上級者にとっては指導として教えるだけの作業になりがちなため、ドライバーがプログラミングを行っている間は手持ち無沙汰になることがあります。上級者が1人でプログラミングを行った方が効率的な場合もありますが、初心者が成長して複雑なプログラミングが行えるようになる方が、プロジェクト全体としての効果が高いため、未来への投資と考えしっかりと指導を行いましょう。
初心者がプログラムを行っている間も「より効率性のある処理はないか」「ミスが起こりやすい部分はないか」といったことを意識しながら見守ることで、上級者自身も新たな発見があるかもしれません。

初心者同士で行うには不向き

初心者同士でペアを組んでしまうと、お互いにレビューやミスの指摘を行う知識を持っていないため、バグの見逃しや誤った解釈で進んでしまうこともあります。教育のためにあえて初心者同士をペアにさせ、お互いに足りていない点を補完し合うこともありますが、この場合は最終成果物を上級者がしっかりと確認し、問題点や評価をフィードバックすることが大切です。

コーディング手法が異なる場合に対立する

同じ処理を行う場合でも、ソースコードの書き方には様々な書き方が存在します。ドライバーとナビゲーターの間でイメージしている書き方に相違があると、指示を行う側と受ける側での認識が異なり対立してしまう場合があります。コーディングの規則を予め決めておくことや、お互いを尊重する姿勢を浸透させることで対立しないようにしましょう。

スケジュール管理

ペアプログラミングで開発を行う場合は、ドライバーとナビゲーターはそれぞれのスケジュールを合わせる必要があります。そのため、開発のスケジュール管理がより複雑になってしまうことがペアプログラミングの難点です。
1つのプロジェクトに専念できる場合は問題ありませんが、上級者の場合、複数のプロジェクトを並行して対応することも多いため、ペアプログラミングを行うスケジュールが取れないこともあります。ドライバーとナビゲーターはお互いのスケジュールを確認し、その都度調整を行うようにしましょう。

参考