OKRとは何か?導入の仕方やMBOとの違いを1から解説

Googleをはじめ世界的企業が採用する目標管理手法、OKRとは

OKRとは目標を設定し、それが達成できているかどうかを管理するための手法のことです。
“Objectives(目標)and Key Results(主要成果)"という英語の略称で、直訳すれば目標(objective)と主要成果(Key Results)となります。
このOKRという手法は1970年代にインテルの社長、アンディ・グローブが開発しました。
GoogleやFacebook、Twitter、Linkedlnなどの世界的企業のほか、日本国内ではメルカリがOKRを採用しており、注目を集めています。

なぜOKRが注目されているのか

成果を上げられる手法として、近年OKRは注目されています。
しかし、目標を設定して管理する手法は、OKRだけではありません。
従来からMBOなどの目標管理手法が用いられ、一定の成果が上がっています。
では、なぜこれらの手法ではなくOKRが注目されているのでしょうか。
それはひとえに、MBOやKPIでは得られないモチベーションに対する刺激をOKRが持っているからです。
そのOKRの魅力により、昨今では成果を上げている世界的企業が次々とOKRを採用していっています。
例えばGoogleは、OKRを採用して迅速かつ継続的な成長を遂げています。
クリエイティブな発想を求められる仕事は、OKRと相性が良いと言えます。

OKRはどのような手法か?

OKRの全体像

参考画像1:OKRのイメージ図

なぜOKRは世界で活躍する企業を魅了していっているのでしょうか?
詳しい説明の前に、まずはOKRの全体像を押さえておきましょう。
ここでは、OKRを「目標」と読み替えると、理解しやすいかもしれません。
OKRは、基本的に1年や半年、四半期(3か月)などの期間で設定され、管理されます。
例えば、四半期の初めに組織としてのOKR (組織OKR)を定めたとします。
組織のOKRに紐づける形で、部署単位のOKR (部署OKR)を設定し、部署OKRの配下に個人単位のOKR(個人OKR)を設定します。
これを図示すると、参考画像1のようになります。

OKRを運用し、週1回などの頻度で目標の達成率を確認します。
達成状況を見て必要なアクションと不要なアクションを見極め、常に必要なアクションだけを進めていきます。
個人はそれぞれの目標を達成するために行動しますが、組織OKRが部署OKRを通じて個人OKRと紐づいているので、個人の目標達成が組織の成長に繋がります。

MBOとの違い

先ほども紹介したように、OKRに似た手法として、MBOというものがあります。
目標管理制度(MBO)とは個人ごとに目標を設定し、それに対する達成度合いで評価を決める組織マネジメント手法です1) 目標管理制度(MBO) とは何か?そのメリットとデメリットとは? | SSAITSのブログ
MBOも目標を設定して、スタッフのモチベーションを上げていこうという手法ですが、OKRとの大きな違いは目標設定を行う人物にあります
MBOにおいて、目標設定を行うのはそのスタッフの上司などのマネジメント層です。
一方で、OKRでは目標設定を行うのも、それに向けてどのようなアクションを起こすのかも、それを実行するスタッフが主導して決めていきます
この点がOKRの面白いところであり、目標もアクションもスタッフ自身が決めることによって、モチベーションを高めようという狙いがあります。

OKRを実践しよう

ここからOKRの手順について具体的に説明していきます。

O(目標)を設定する

まず、Objective(目標)であるO(目標 )を定めます。
目標は、達成したい成果やこうなりたいという姿を表しています。
例えば、「大ヒットゲームを開発する」「新しい事務支援ソフトを成功させる」「愛知県豊田市で抜群の知名度を誇るクリーニング店になる」などが目標になります。
OKRでは、以下のルールに基づき目標を設定します。

定性的なもの

社員が達成したいと思えるようなメッセージ性のある文章にしましょう。
魅力的でワクワクしたものであれば、社員は全力で目標に向かってくれます。

野心的なもの

OKRの目標には「ルーフショット」「ムーンショット」というものがあります。
「ルーフショット」とは「屋根にボールを飛ばす」レベルの難しさの難易度を意味し、「ルーフショット」は「月にボールを飛ばす」レベルの難易度を示しています。
OKRでは「ムーンショット」の目標が奨励され、月を目指すような野心的な目標が大切であるとされています。
野心的な目標を達成するためには、多くの工夫が必要になります。
高い目標を設定することで、社員も組織も大きく成長できます。
OKRを導入しているGoogleの創業者ラリー・ペイジは、「たとえ常識にとらわれない野心的な目標を掲げて失敗しても、何か素晴らしいことをなし遂げたことになる」と述べています。

組織から個人まで一貫性があるもの

組織、部署、個人の目標が紐づけられている必要があります。
それにより、組織全体の方向性が統一され、社員一丸となって目標に向かえます。

KR(主要成果)を設定する

Oが決まれば、Key Result(主要成果)である KRを設定します。
KRは、Oを達成するための手段及びその目標値を意味しています。
OKRでは、以下のルールに基づきKRを設定します。

定量的なもの

数値化されていることで、客観的に達成状況を判断できます。
実績が計測できると、成功・失敗の基準も明確になります。

困難であるが達成可能なもの

先ほどの「ムーンショット」の説明でもお話ししたように、OKRでは難しい目標・目的感覚的に達成率60~70%程度の水準が望ましいです。

目標に結びついている

いかにすばらしいKRを設定したとしても、目標の達成に繋がるものでなければ、本末転倒です。
かならず設定したKRが目標に関係あるかどうかを確認しておきましょう。

重要なものに集中する

1つのOにつき3~5つのKRを設定しましょう。
本当に重要なものにだけ組織や個人の力を振り分ける必要があります。

OKRの運用

OKRを設定したら、週1回程度の頻度でKRの達成率を評価します。
この際、自社の置かれた状況や競合との関係を踏まえ、当初設定したKRのままで問題ないのかも検討しましょう。
なぜなら、KRは、自社をめぐる環境で変化するものだからです。
KRの見直しを行わなければ、無意味なことに力を集中させることになりかねません。
きちんとKRを管理し、O(目標)の達成を目指しましょう。

OKRの評価方法

例えば、以下のOKRを設定した企業について考えます。

  • O:愛知県豊田市で抜群の知名度を誇るクリーニング店になる
  • KR:豊田市民の利用人口 日標値20万人
  • KR:リピーター率 目標値80%
  • KR:認知度 目標値80%

週1回などの頻度で、KRの達成率を評価していきます。

  • KR:豊田市民の利用人口 目標値20万人 実績値15万人 → 達成率75%
  • KR:リピーター率 目標値80% 実績値44% → 達成率55%
  • KR:認知度 目標値80% 実績値40% → 達成率50%

そして、KRの達成率をもとに、Oの達成率を算出します。
3つのKRの重要度が同じであれば、Oの達成率は以下のとおり計算されます。

  • KRの合計達成率 75%+55%+50%=180%
  • Oの達成率 180%÷3=60%

こうして、四半期の終わりに算出されたOの達成率が、最終的な達成率になります。

KRの達成率は高いほど良いのか

OKR以外の目標管理手法であれば、達成率は高いほど良いとされます。達成率200%ともなれば、ものすごい成果と評価されることでしょう。
しかし、OKRにおける理想的な達成率は70~80%とされています。
なぜなら、OKRは達成が難しい目標(ムーンショット)に取り組む際に使用される手法であるため、100%を達成するというのは難しく、多くの場合は60~70%程度の達成率になります。
逆に、90%や100%といった達成率にいつもなってしまっているのであれば、最初の段階で野心的なOKRが設定されていなかったと考えるべきでしょう。
この場合、目標をを変えてみたり、KRの目標値を見つめ直していくと良いでしょう。

OKRのまとめ

ビジネスを取り巻く環境は、絶えず変化しています。
当然、環境の変化に伴い、目標の達成に向けてやるべきことも次々に変わります
Googleなどの世界的企業は、常に野心的な目標を掲げつつも、変化に敏感に反応して目標達成に向けた最適な手段を取り続けてきたからこそ、成長し続けられています。
OKRの導入に二の足を踏む企業もあるでしょうが、変化が著しい今の時代だからこそ、試してみる価値のある目標管理手法と言えるでしょう。

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