積極的‐建設的反応(ACR)とは何か?良好な関係を築くための積極的‐建設的反応のエクササイズも解説

2023年11月28日

相手と関係性を築くには

話している相手に何か反応する場合、その反応は大きく以下の4つに分けられます。

反応の方法
  • 積極的×建設的
  • 受動的×建設的
  • 積極的×破壊的
  • 受動的×破壊的

この中で、相手と良好な関係を築けるのは「積極的×建設的」の反応のみです。

各反応の例

ここからは『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福"から“持続的幸福"へ』の内容をもとに、各反応の例を見ていきましょう[1]マーティン・セリグマン(著)、宇野カオリ(訳)『ポジティブ心理学の挑戦 … Continue reading

『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福"から“持続的幸福"へ』では、宝くじに当たった友人への反応を例にして、4つの反応の違いを紹介しています。

反応方法反応の内容
積極的×建設的わあ、それはラッキーだったね。君自身にごほうびを買いに行ったらどうだい?
そのくじはどうやって買ったの?
何かに当選するってすごくうれしいことだよね。
受動的×建設的それはよかったね。
積極的×破壊的そのくじはきっと税金を払わなくちゃいけないんだと思うよ。僕は。
受動的×破壊的僕は今日、会社でひどい目にあったんだよ。
表1:反応の4つのスタイルの例

4つの反応はそれぞれ、「積極的か受動的か」「建設的か破壊的か」を組み合わせたものです。
積極的な反応は、相手が話した内容に対して、積極的に自分の意見を述べています。一方で、受動的であれば相手の話した内容にあまり反応はしません。
また、建設的な反応は、相手に対して好意的な反応を見せますが、破壊的反応は相手の喜びを破壊するような、悪意や皮肉が含まれた反応になっています。

上述のとおり、この4つの反応のスタイルの中で、相手と良好な関係を築けるのは「積極的×建設的」のみです。つまり、相手の話した内容に対して、積極的に自分の好意的な意見を述べる反応だけが、相手との関係性を築きます。

積極的×建設的反応のエクササイズ

『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福"から“持続的幸福"へ』では、この積極的×建設的反応を利用した、ウェルビーイング度を高めるエクササイズが紹介されています[2]マーティン・セリグマン(著)、宇野カオリ(訳)『ポジティブ心理学の挑戦 … Continue reading

エクササイズの内容は簡単で、自分が大切に思う相手が身に起きたことを話すたびに、積極的かつ建設的に反応することに努めるというものです。
そして、その出来事を自分と一緒に再び体験してくれるように相手に頼みます。追体験する時間に制限はありません。相手に起こった良い出来事を深掘りしていき、積極的で建設的な反応をしていきましょう。

そして、このエクササイズを行ったら、その晩にその良い出来事の内容をまとめていきましょう。
良い出来事をまとめる際に注目するのは以下の3点です。

  • 相手の出来事
  • 自分の反応(言ったとおりに書くこと)
  • 自分に対する相手の反応

もし、このエクササイズが得意ではない場合は、自分自身の周りで起こった良い出来事に対して、自分はどのような反応をすべきだったかをまとめていきます。

この積極的‐建設的反応のエクササイズを実施することにより、周囲と良好な関係を築くことができ、長期的な人生の幸福度を高めることができます。

ウェルビーイングについて

今回の積極的×建設的反応のエクササイズはウェルビーイングに影響していきます。
ウェルビーイングについては、下記の記事もご参照ください。

1マーティン・セリグマン(著)、宇野カオリ(訳)『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福"から“持続的幸福"へ』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2014年、92~93頁。
2マーティン・セリグマン(著)、宇野カオリ(訳)『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福"から“持続的幸福"へ』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2014年、94頁。