プロジェクトに関わる人物と役割 ―ステークホルダーの種類について解説―

2021年3月30日

プロジェクトには様々な人物が様々な役割で関わってきます。今回の記事ではプロジェクトに関わる人物を紹介していきます。

プロジェクトに関わる人はステークホルダー

プロジェクトには様々な人が関わりながら進められていきますが、プロジェクトに関わる人物はステークホルダー(stakeholder)と呼ばれます。
ステークホルダーとは、プロジェクトマネジメントにおいて、プロジェクトに積極的に関わる人や組織、または、プロジェクトに影響を与えたりプロジェクトの影響を受けたりする人や組織のことを指します。
日本語では「利害関係者」と訳されますが、平たく言ってしまえば、プロジェクトに関係するあらゆる人や組織がステークホルダーです。

ステークホルダーの範囲は、プロジェクトに関わるすべての人や組織です。
社内であれば、プロジェクトを推進するプロジェクト・チームだけでなく、経営者や部門長もステークホルダーになります。
社外であれば、顧客やユーザー、サプライヤーやベンダーなどがステークホルダーになります。
法規などでプロジェクトに外部的制約を与えている国の機関や自治体も、ステークホルダーと言えます。
このほか、社内外どちらにも存在し得るステークホルダーとして、プロジェクトに人員や予算などの資源を提供するプロジェクト・スポンサーもいます。

このステークホルダーについては、下記の記事で解説しているのでご参照ください。

プロジェクト・チームの役割

誰がステークホルダーになるかはプロジェクトによって異なりますが、プロジェクトの中核をなすステークホルダーは、プロジェクト・チームです。
プロジェクト・チームは、役割別に以下の4つに分けられます。

  • プロジェクト・オーナー:プロジェクトの実施を決定する人物
  • プロジェクト・マネジャー:決定したプロジェクト全体を管理し、責任を負う人物
  • プロジェクト・リーダー:現場レベルでプロジェクトの進行をリードする人物
  • プロジェクト・チーム・メンバー:プロジェクト・チーム内で特定の役割を持った人物

プロジェクト・オーナー

プロジェクト・オーナーとは、プロジェクトの実施を決定する人物です。
プロジェクトの発注者でもあり、プロジェクトの円滑な進行のため、明確なビジョンを持ってプロジェクトを立案する必要があります。
組織戦略にもとづき、プロジェクト全体を管理しなければなりません。
社内プロジェクトであれば、プロジェクト・マネジャーの上司やエグゼクティブが指名されたり、IT関連のプロジェクトならITの管理者、流通関連のプロジェクトなら流通部門のトップが指名されたりします。
また、社外から発注を受けたプロジェクトの場合は、プロジェクト・オーナーは社外にいることになります。

プロジェクト・マネジャー

プロジェクト・マネジャーとは、プロジェクト・オーナーが決定したプロジェクトを管理し、そのプロジェクトに対して責任を負う人物です。
プロジェクトマネジメントの中心的存在であり、プロジェクトの進捗状況を確認し、プロジェクト全体のコスト、スケジュール、品質、人員、リスクなどの管理を行います。
必要に応じて資源の追加投入や計画修正なども行います。
また、経営者やプロジェクト・オーナーに進捗状況を報告する義務を負い、ステークホルダー全体の利害関係の調整も行う必要があります。
プロジェクト・マネジャーの仕事は多岐にわたり、高い専門性とスキルが求められることから、プロジェクトマネジメントに関する豊富な経験を積んだ人物が指名されることが多いです。

プロジェクト・リーダー

プロジェクト・リーダーとは、現場レベルでプロジェクトの進行をリードする人物です。
プロジェクト・チーム・メンバーを管理し、チームをまとめ上げ、プロジェクトを成功に導く役割を担っています。
現場レベルでのプロジェクト進行が求められるため、チームメンバーに対して的確かつ具体的な指示を出せなければなりません。
また、チームをリードする必要があるため、行動力やリーダーシップ、人間性の高さが求められます。
プロジェクト・チームは社内の各部署から集められたメンバーで構成されることから、それらメンバーをまとめる手腕も必要となります。
なお、小規模なプロジェクトであれば、プロジェクト・マネジャーがプロジェクト・リーダーを兼ねることもあるほか、プロジェクト・マネジャーではなくプロジェクト・リーダーが実質的なプロジェクト管理権限を握っていることもあります。

プロジェクト・チーム・メンバー

プロジェクト・チーム・メンバー(プロジェクト・オーナー・プロジェクト・マネジャー・プロジェクト・リーダーを除く)とは、プロジェクト・チーム内で特定の役割を持った人物です。
プロジェクトの推進に適任とされる人物が社内の各部署から集められます。
プロジェクトに必要なスキルやノウハウがあるだけでなく、プロジェクトの成功に向け、与えられた業務に真摯に向き合える人物が求められます。

プロジェクト・チーム以外の重要なステークホルダー

プロジェクト・チーム以外にも、プロジェクトにとって重要なステークホルダーは存在します。
それは、プロジェクト・スポンサーとプロジェクトマネジメント・オフィスです。
このほか、顧客に対するプロジェクトでは、顧客自体が重要なステークホルダーとなります。

プロジェクト・スポンサー

プロジェクト・スポンサーとは、プロジェクトに対して人員や予算などの資源を提供する人や組織です。
人員や予算に関わることからプロジェクトに欠かせない存在であり、プロジェクトの生殺与奪を握っていると言っても過言ではありません。
そのため、プロジェクト・マネジャーが仕事を進める上での最大の後ろ盾でもあります。
社内プロジェクトでは、経営層やマネージャー層がプロジェクト・スポンサーになり、社外向けのプロジェクトでは、社外の組織において予算提供や意思決定の権限を持つ人がスポンサーとなるのが一般的です。
要するに、人員や予算に関する決定権を持つ人が、プロジェクト・スポンサーになります。

プロジェクトマネジメント・オフィス

プロジェクトマネジメント・オフィスとは、プロジェクトマネジメントの実行を支援する部門やチームです。PMOと略されて呼ばれることもあります。

プロジェクトマネジメント・オフィスは組織の一部門として設置されることもあれば、プロジェクト・マネジャーの下部に設置されることもあります。
組織の一部門として設置される場合、プロジェクトマネジメント・オフィスは、組織全体のプロジェクトを管理する役割を担います。
プロジェクト・マネジャーの下部に設置される場合、プロジェクトマネジメント・オフィスは、各プロジェクトの進捗を管理します。
いずれにせよ、プロジェクトマネジメント・オフィスは、プロジェクト・マネジャーの片腕またはブレーンとなる存在です。
なお、プロジェクト・マネジャーがどのような支援を必要とするかによって、プロジェクトマネジメント・オフィスのプロジェクトに対する関わり方は変わってきます。
例えば、プロジェクト・マネジャーが未熟であれば、プロジェクトマネジメント・オフィスは、各プロジェクトの進捗を管理するだけでなく、プロジェクト・マネジャーに対してプロジェクトの進め方を指示することもあります。

プロジェクトマネジメント・オフィスについては、下記の記事でも解説していますので、こちらもご参照ください。

顧客とサプライヤー

顧客は、プロジェクトの成果物を受け取る対象です。
プロジェクトは顧客のニーズを満たすために実施され、顧客に成果物を納品することで終了することから、顧客は重要なステークホルダーです。
また、サプライヤーも、プロジェクトに必要な資源を外部から提供するという意味で、重要なステークホルダーです。
特に、プロジェクトが大規模になるほど、外部から必要になる資源の割合も大きくなるため、ステークホルダーとしての重要性も増します。

まとめ

プロジェクトをめぐっては、様々なステークホルダーがいます。
特に、この記事で紹介したステークホルダーは、プロジェクトを進めるにあたって決して無視できない存在です。
各ステークホルダーとの関係を良好に保つことが、プロジェクトを円滑に進める秘訣と言えます。
それぞれのステークホルダーの役割を正しく理解し、プロジェクトを成功に導きましょう。