リスクデータ品質査定とは何か?リスクマネジメントの手法を解説

2021年8月18日

リスクデータ品質査定の概要

リスクデータ品質査定とは、主にプロジェクトマネジメントのリスク分析で行われる検査です。
リスクそのものではなく、リスクに関するデータに対しての査定となっています。
リスクデータ品質査定は、主に以下の視点をもって行われます。

  • リスクデータへの理解度が妥当か
  • リスクデータの品質、整合性、信頼性、正確性は十分か

上記の項目が満たされないなどデータ品質が低いとされた場合、より高品質なリスクデータを収集することが求められます。
リスクデータ品質査定は特に「定性的リスク分析」の過程で行われるものです。

定性的リスク分析

定性的リスク分析とは、リスクに優先順位をつけるための手法です。
リスクが発生する確率や影響度といった視点から、対象となるリスクの査定を行います。
定性的リスク分析を取り入れることで、重要なリスクに絞ってリソースを割くことができ、結果的にプロジェクト全体のパフォーマンス向上に繋がります。

定性的リスク分析は、主に以下のような項目で査定されます。

  • リスクの相対的な発生確率
  • リスクの発生原因とその起こりやすさ
  • リスクが発生した際のプロジェクト全体への影響の大きさ
  • リスクに対するコストやスケジュール、品質などの組織の許容度

定性的リスク分析で「高リスク」に分類されたものは、対応する戦略を打ち出すなど、優先的に処置を行う必要があります。
「低リスク」に分類されたものは監視リストに入り、同時に「コンティンジェンシー予備」も追加されることになります。

コンティンジェンシー予備とは

コンティンジェンシー予備とは、特定のリスクが発生したときのために備える予算や期間です。
リスクが発生した際、プロジェクトマネジャーの裁量で使用することができます。
コンティンジェンシー予備については、下記の記事もご参照ください。

リスクへの「態度」の影響

定性的リスク分析で念頭に置かねばならないのが、プロジェクトチームや利害関係者のリスクに対する態度です。
たとえばなんらかの固定観念や経験などから、リスクに対して偏った見方をしてしまうことがあります。
それを防ぐため、プロジェクトマネジャーはリスクの査定時、各員のリスクに対する態度を把握し、場合によってはマネジメントせねばなりません。
この「リスクに対する偏った態度」を評価に入れ、リスク査定の内容を修正することもあります。

定量的リスク分析 

定性的リスク分析に似た言葉に「定量的リスク分析」があります。
それぞれ名前は似ていますが、「定量的リスク分析」は定性的リスク分析のあとに行われるものです。
「定量的リスク分析」は、定性的リスク分析で特定されたリスクを、数量的に分析する作業です。
「リスクに対する効果的な対応策を作る」という視点では、定量的リスク分析が不要な場合もあります。