OBRBCとは何か?ギタンジャリ・ラオのイノベーションのプロセス

OBRCの概要

OBRBCとは、アメリカの発明家であるギタンジャリ・ラオ(Gitanjali Rao)が発案したイノベーションのプロセスです。
OBRBCはそれぞれ「観察する(Observe)」「ブレインストーミング(Brainstorm)」「調査する(Research)」「制作する(Build)」「伝える(Communicate)」の頭文字に由来します[1]ギタンジャリ・ラオ(著)、堀越英美(訳)『ギタンジャリ・ラオ … Continue reading

OBRBCの構成要素
  • O…観察する(Observe)
  • B…ブレインストーミング(Brainstorm)
  • R…調査する(Research)
  • B…制作する(Build)
  • C…伝える(Communicate)

このOBRBCの順番に作業を進めていくことによってイノベーションが生まれるとギタンジャリ・ラオは考えました。

ギタンジャリ・ラオは、このOBRBCを覚えてもらうため、以下のような語呂合わせを作っています[2]『STEMで未来は変えられる』53頁。

Old Bananas Regularly Belong in Cake
(古くなったバナナはいつもケーキに入れる)

ギタンジャリ・ラオとは?

ギタンジャリ・ラオ(写真はWikipediaより)

このOBRBCを発案したギタンジャリ・ラオは、アメリカの若き発明家、科学者、作家であり、テクノロジーを使って社会問題を解決しようとする活動家としても知られています。
2005年生まれの彼女は、特に水質汚染の解決やインターネット上のいじめ(サイバーいじめ)対策などの分野で革新的なプロジェクトを立ち上げ、多くの注目を集めています。

STEM教育の普及にも熱心であり、STEM教育で形成される理想の人物像としても名前が挙げられます。

OBRBCで使えるツール

ここからはOBRBCを実践する時に使えるツールを紹介していきます。

問題発見に使える特性要因図(フィッシュボーン・チャート)

特性要因図とは、潜在的な問題を発見するために用いられる手法です。
製造業で起こる問題の原因を特定して、有効な対策を打つための手段として利用されていましたが、現在はあらゆる分野に活用されています。

1956年に東京大学教授の石川馨が考案したために「石川図(イシカワ・ダイアグラム)」と呼ばれることもあり、図式が魚の骨の形に似ているため「フィッシュボーン図(フィッシュボーン・チャート)」と呼ばれることもあります。

この特性要因図については、下記の記事もご参照ください。

アイデア出しの基本・ブレインストーミング

ブレインストーミング(Brainstorm)とは、会議に参加した人たちが自由な発想で意見を出し合い、新しいアイデアを生み出すための手法のことで、 日本では「ブレスト」と略されて使われています。
ブレイン(brain)は脳、ストーム(storm)は嵐を意味するように、ブレインストーミングは、「脳に嵐を巻き起こし、多様なアイデアを出す」ことを目的としています。

ブレインストーミングについては、下記の記事もご参照ください。

アイデアを整理するKJ法

KJ法とは大量に収集したデータを整理して分析し、新たなアイデアを得るための発想法のことです。
膨大なデータを一枚一枚のカードに分けてグループ化を繰り返していくことで、問題解決の手掛かりや新たな発想が得られます。
KJ法は東京工業大学名誉教授を務めた文化人類学者・川喜田二郎が考案したことにより、川喜田(Kawakita)二郎(Jiro)の頭文字からKJ法と呼ばれています。

KJ法については、下記の記事もご参照ください。

1ギタンジャリ・ラオ(著)、堀越英美(訳)『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』くもん出版、2021年、54頁。以下『STEMで未来は変えられる』と略記。
2『STEMで未来は変えられる』53頁。