スプリントレビューとは何か?スクラム開発で用いられる手法を解説
スプリントレビューの概要
スプリントレビューはスクラム開発を導入したプロジェクトで、スプリントの終わりに実施される会議の1つです。
スプリントとは、スクラム開発でシステム開発をする際の開発期間の単位です。組織によって1週間の場合も、1ヶ月の場合もあります。
この1つのスプリントの最後に実施されるのがスプリントレビューです。
スプリントレビューでは、例えば以下のようなことを実施します。
- 完成した機能を顧客に実演する
- プロダクトバックログの項目を更新する
- 今後の開発の見通しを示す
つまり、「このスプリントの成果は何だったのか?」「残りのタスクはどのくらいか?」「それらのタスクをどのように処理していくのか?」を話し合う場がスプリントレビューです。
このスプリントレビューには、以下に挙げるメンバーの出席が求められます。なかでも、ステークホルダーには必ず出席してもらうことが重要です。
- 顧客などのステークホルダー
- スクラムチーム(開発チーム、プロダクトオーナー、スクラムマスター)
スクラムチームについての解説は、以下の記事で行っておりますのでご参照ください。
スプリントレビューはどのような手順で行われるか
スプリントレビューを実施するにあたり、事前に以下の準備が必要です。
- ステークホルダーが出席できる日時を確認し、スケジュール調整を行う
- プロダクトバックログを整理する
- スプリントの進捗結果を確認する
- スプリントで開発された項目のチェックとデモを行う機能を準備する
- 必要に応じて資料を作成する
1~3番目の項目はプロダクトオーナー、4番目の項目は開発チームが担当します。
5番目の項目については内容に応じて、適切なメンバーをアサインすることになります。
スプリントレビュー当日の進行は、以下の通りとなる場合が多いです。
- 会議の目的や前提事項を共有する
- スプリントで完成した機能のデモを行い、ステークホルダーから良い点や意見などのフィードバックを受ける
- 最新のプロダクトバックログを解説し、追加・削除・変更すべき点を議論する
- プロダクトバックログを更新する
スプリントレビューで実演するデモは完成済の機能が対象です。そのため、事前にプロダクトオーナーのチェックを受けておきましょう。未完成のプログラムは、実演の対象に含めないよう注意が必要です。
デモは顧客側の視点で行うと、効果が高まります。
プロダクトバックログの更新もスプリントレビューの重要な成果物の1つです。
プロダクトバックログとは、そのプロダクトを完成させるために必要な残課題と言い換えてもよいでしょう。
このプロダクトバックログがどの程度残っており、どのように処理していくかはスプリントプランニングで確認し、方針を決定します。
そのため、スプリントレビューではステークホルダーの意向を踏まえつつ、適切にプロダクトバックログの変更や追加、削除を行いましょう。加えてプロダクトオーナーは最新の情報をもとに、今後の見通しを示すことも重要な役割です。
この見通しを示す作業を「スプリントプランニング」と呼びますが、この内容については以下の記事をご参照ください。
スプリントレビューはなぜ必要なのか
上述のような流れで実施されるスプリントレビューが必要とされる理由には、以下の4点が挙げられます。
- プロジェクトの進捗状況を確認できる
- ステークホルダーからのフィードバックが得られる
- 開発メンバーのモチベーションを高める
- 次回のスプリントの見通しが立つ
ステークホルダーにとって、デモが実施されるスプリントレビューは開発状況を確認できる重要な会議です。
スクラムチームの報告を聞き、進捗を確認するだけでなく、自分たちが想像していたものと実際にスクラムチームが作成したものに乖離がないかを確認することも大切です。
一方でスクラムチームにとって、ステークホルダーに完成品を示せるスプリントレビューは直接フィードバックが得られる重要な機会です。顧客がイメージしていた成果物と、自分たちが作成した成果物にズレがないかを確認し、方向性を確かめることができます。
また、顧客から良いフィードバックが得られれば、チームのモチベーション・アップにもつながります。
加えて、プロダクトバックログが更新されるのも、スプリントレビューの重要なポイントです。
スプリントレビューの結果をもとにプロダクトバックログが更新され、次回のスプリントの内容が決まるため、次回のスプリントの見通しが立つようになります。