「レモネード」の原則 ~不確実性・偶発性を活用するエフェクチュエーションの思考法~

「レモネード」の原則の概要

「レモネード」の原則とは、エフェクチュエーションの思考法の一つで、偶発性や不確実性を活用するというものです。
この原則は「すっぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れ(when life gives you lemons, make lemonade)」という格言に由来します。

たとえば、そのまま食べられることをウリにレモンを販売しようとしていたとします。
いざレモンを仕入れてみると、そのまま食べるにはあまりにもすっぱいレモンだった場合、「そのまま食べられる」ということをウリにしたビジネスプランは破綻してしまいます。
しかし、熟達した起業家は「そのまま食べられないのであれば、レモネードとして売ろう」というように、偶発的な出来事を梃にして、柔軟に対応します。

不確実性や偶発的な情報は「リソース」である

目標を明確に定め、そこに決められた計画に沿って進んでいくという従来の起業法では、不確実性や偶発性は円滑な進行を邪魔する存在でしかありません。
しかし、エフェクチュエーションでは不確実性や偶発的な情報は「リソース」、つまり計画を進めるための資源と考え、活用を考えていきます。

物事には常に良い面と悪い面があり、不確実性や偶発性に直面した時も、多面的に見なければ活用することができません。
物事を多面的に見るには水平思考が役に立ちます。
水平思考については下記の記事もご参照ください。

参考

  • サラス・サラスバシー(著)、加護野忠男(訳)、高瀬進(訳)、吉田満梨(訳)『エフェクチュエーション』碩学舎、2015年