プロポーザル評価とは何か?公募型プロポーザル方式と環境配慮型プロポーザル方式を解説

2021年2月25日

プロポーザル評価の概要

プロポーザル評価とは、建築設計やシステム開発などを委託する際に最も適した事業者を選定することで、技術的に高度、もしくは専門的な技術が要求される業務の発注に使われる発注方式となります。

業務を受注する事業者は、定められたテーマに基づいて技術力、経験などを含めたプロポーザル(提案書)を提出し、発注者は提案された内容を総合的に評価して事業者を選定することからプロポーザル方式とも呼ばれています。

プロポーザルとコンペとの違い

プロポーザル方式と似た入札方式としてコンペ方式が挙げられます。
プロポーザルとコンペの大きな違いとしては、選定対象が「事業者」となるのか「企画内容」であるのかによります。
プロポーザル方式では、企画内容だけではなく事業者の方針や地域貢献度といった組織としての実績、経験が選定理由に大きく関わります。
一方コンペ方式では、事業者のこれまでの実績や経験ではなく、提案内容のみが選定対象となる傾向があります。
プロポーザルをコンペと同一と考えていると、企画内容のみに力を入れてしまい事業体制や方針などの発注者が重視している部分が疎かになることで評価が伸びず敗退に繋がることとなるため注意が必要です。

プロポーザル方式の種類

プロポーザル方式の種類としては大きく分けて「公募型プロポーザル方式」「環境配慮型プロポーザル方式」の2種類があります。

公募型プロポーザル方式

公募型プロポーザル方式は、主に地方公共団体が事業者を選定する方式となります。
事業者は条件に対して提案書を提出し、地方公共団体が事業者の方針や企画内容から総合評価を行うことで決定します。
従来では安い価格で入札を行う「競争入札方式」が主流となっていましたが、安い価格では設計の品質を担保できないこともあり、短期間で有能な事業者を選定できる公募型プロポーザル方式が近年注目されています。

環境配慮型プロポーザル方式

環境配慮型プロポーザル方式は、建築物の設計を行う事業者を選定するにあたって、温室効果ガス等の排出削減に配慮を行う内容を含んだ選定方式となります。自然エネルギーなどの利用を含んだ技術提案を求め、総合的に最も優れた技術提案を行った事業者を選定します。主に国や独立行政法人などが大規模な改修を行う際に採用される方式です。

プロポーザル方式のメリット

プロポーザル方式を活用することで客観的な評価基準に沿った公正な審査が可能となります。
また、事業者としての組織力やこれまでの経験、技術を含めた審査を行うため、品質として質の高い選定を行えます。
コンペ方式でも具体的な提案から優れたものを選定できますが、評価するためには発注者側に専門的な知識が必要かつ、募集時点で詳細な要件、条件を設定する必要があるため発注者側の負担が大きくなりがちです。
プロポーザル方式では提案時点では設計案を求めず、発注者、事業者の協働で設計を行うため、発注者の要望を反映させやすく負担も軽減できるメリットがあります。

様々な角度から業者を評価することが大切

今回はプロポーザル評価について解説していきました。
力量のない事業者に仕事を依頼してしまうことは、プロジェクトの成否に大きく関わってくるため、今回のプロポーザル評価のように、多面的に事業者を評価することは大切です。
「どのように発注者を評価し、選定すればよいのか」をもっと知りたい場合は、下記の発注者選定分析の記事もご参照ください。

また、コンペ方式で重視される「企画内容」ではなく、「事業者」を重視するプロポーザル評価で、どのような点が見られているのかを知りたい場合は、CMMIについての理解を深めるとよいでしょう。
CMMIは適切なベンダーを選定するために、アメリカで発案されたモデルです。
CMMIについては下記の記事で解説していますので、ご参照ください。

参考