プロンプト・リストとは何か?PESTLE・TECOP・VUCAについても解説
プロンプト・リストの概要
プロンプト・リスト(Prompt List)とは、個々のプロジェクトのリスクを引き起こす可能性があり、プロジェクト全体のリスク要因ともなり得る、リスク区分のあらかじめ決められたリストです。
簡単に言えば、PMBOKのリスクの特定のプロセスのように、プロジェクトのリスクを考えなければならない際、議論の呼び水となるようなリストがプロンプト・リストです。
プロンプト(Prompt)には「機敏な」「即興の」という意味がありますが、リスト登録簿などを作成する前に、より多くのアイデアを引き出すために即興で作られたリストがプロンプト・リストです。
プロンプト・リストにはいくつかフレーム・ワークがあり、PESTLE、TECOP、VUCAが有名です。
- PESTLE(政治、経済、社会、技術、法律、環境)
- TECOP(技術、環境、商業、運用、政治)
- VUCA(揮発性、不確実性、複雑さ、あいまいさ)
上記リストのカッコ内の事柄についてリスクの洗い出しをしていけば、何もない状態からリスクについて議論するよりも、より生産性の高い議論ができるでしょう。
プロンプト・リストとリスク区分との違い
リスク・マネジメントの用語にはリスク区分という言葉があります。
では、今回見てきたプロンプト・リストとリスク区分にはどのような違いがあるのでしょうか。
上述の通り、プロンプト・リストはリスクの特定のアイデアを呼び出すように作られたリストです。さらにPESTLEやTECOP、VUCAの項目からも分かるように、範囲の広い、漠然とした内容になっています。
一方でリスク区分は、洗い出されたリスクを管理するためにカテゴライズされたものです。例えば「外部環境」「内部環境」という区分をすることもあれば、「納期」「品質」「コスト」のような区分をすることもあります。
プロンプト・リストとリスク区分の項目は一致することもありますが、そうでないことも多々あります。
重要なのは、プロンプト・リストとリスク区分が登場するタイミングと用途が異なることを把握することです。
リスク・マネジメントのプロセスにおいて、プロンプト・リストとリスク区分が登場する場面を改めてまとめると、以下のようになります。
- プロンプト・リストの作成
- リスクの洗い出し
- リスク区分の作成