ノミナル・グループ技法とは何か?構造化されたブレインストーミングの技法を解説
ノミナル・グループ技法の概要
ノミナル・グループ技法とは、ブレインストーミングに投票のプロセスを加え、得点によって優先順位をつけたり、合意を形成するようにした技法です。
ノミナル(nominal)は、日本語では「名目」や「名ばかり」と訳されますが、点数によって名目だけでもアイデアをグループ分けしていこうというのがノミナル・グループ技法です。
一般的に乱雑になりやすいブレインストーミングでのアイデアをグループ化できるため、ノミナル・グループ技法は構造化されたブレインストーミングと呼ばれます。
このノミナル・グループ技法は、以下のような場合にとくに有用であると言われています[1]Nominal group technique – Wikipedia。
- 一部のグループメンバーが他のグループのメンバーよりもはるかに声が高い場合
- 一部のグループメンバーが静かにものごとを考えたいとき
- 一部のメンバーが参加しないことが懸念される場合
- グループが大量のアイデアを簡単に生成できないような場合
- チームメンバーの全員または一部が初めての場合
- 問題が物議を醸している、または白熱した対立があるとき
- ファシリテーターと参加者、または参加者の間に力の不均衡がある場合
- ステークホルダーがプロセスの定量的な表現を好む場合
このように、ノミナル・グループ技法ではブレインストーミングで得られたアイデアに対して点数をつけることで、客観性をもたせることができ、アイデアの選定や意見の対立の解決に役立てることができます。
ノミナル・グループ技法の手順
ノミナル・グループ技法の手順は以下の通りです[2]PMBOK第6版、145頁を参考に作成。。
- 問題提起
- アイデアをだす
- アイデアを書きだす
- 理解を深めるため、アイデアを話し合う
- 投票を行う
- 集計を行う
1~4までの手順は一般的なブレインストーミングと同じ流れです。
ブレインストーミングについては、以下の記事もご参照ください。
ノミナル・グループ技法の特徴は、手順の5番目の「投票を行う」ことで、通常各メンバーが1~5の点数をアイデアに投票していきます。
これらの点数を集計し、採用するアイデアを決めたり、対応するアイデアの優先順位を決めていったりします。
ノミナル・グループ技法以外のアイデアの整理法
今回はノミナル・グループ技法について、解説していきました。
ブレインストーミングは、手軽にアイデアが得られるものの、そのアイデアの整理にはまた別の技法が必要になります。
ノミナル・グループ技法はアイデアに点数をつけることで、名目だけでもグループ分けを行い、アイデアの採用や優先順位をつけていきます。
ノミナル・グループ技法のほかには、KJ法がアイデアの整理法として一般的です。
KJ法については、以下の記事もご参照ください。
注
↑1 | Nominal group technique – Wikipedia |
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↑2 | PMBOK第6版、145頁を参考に作成。 |