マイルストーン・リストとは何か?マイルストーンをさらに活用するための手法

2021年1月26日

マイルストーンのおさらい

マイルストーンとは鉄道や道路などで、起点からの距離を表すため1マイルごとに置かれた標石のことです。
ビジネスシーンでは、プロジェクトにおける重要な中間目標点の意味で使われます。
ほとんどの場合、マイルストーンはガントチャートと一緒に用いられます。ガントチャートでは期間を表すのに対して、マイルストーンは特定のポイントを表します。

ガントチャートとマイルストーン
参考画像1:ガントチャートとマイルストーン

ここからは参考画像1をもとに話を進めていきましょう。参考画像1では◆が各マイルストーンに当たります。
例えば、システム開発において1月末までにデータベース構築が終わらなければ製造工程に入れないという場合、1月31日をマイルストーンにすることがよくあります。なぜなら、データベース構築が完了しなければ製造工程に入れないということは、データベース構築が完了しているか否かで全体のスケジュールが変わってくるからです。
そのため、1月31日をマイルストーンとし、この日はプロジェクト・メンバーで進捗を確認し、データベース構築が完了していない場合は対策を練っていきます。

同様に2月末までに製造が終わらなければ、テスト工程に入れないといった場合には、2月28日がマイルストーンとなります。また、プロジェクトでは要件定義、設計、製造、単体試験、結合試験など、各フェーズの最後には成果物の品質をチェックする検収が行われます。そのタイミングにもマイルストーンは置かれます。クライアントとの契約で、テスト工程後に検収を行うとしているのであれば、3月31日もマイルストーンになります。

マイルストーンについては下記のページでも解説していますので、よろしければご参照ください。

マイルストーン・リストとは

マイルストーン・リストのイメージ
参考画像2:マイルストーン・リストのイメージ

マイルストーン・リストとは、プロジェクトにおけるすべてのマイルストーンを特定したものです。マイルストーンが必須なのか任意なのかを明確にするために使用します。

必須のマイルストーンは、クライアントとの契約や他チームとの約束など、外部要因によって守られるべきものです。任意のマイルストーンは、過去の実績により必要と判断されたもので、オプションとして使用されます。

参考画像1の例でたとえると、データベース構築はインフラチームが受け持ち、製造、テストは開発チームが受け持つとします。その場合、データベース構築が終わらなければ開発チームは手が止まってしまいます。
そのため、1月31日のマイルストーンは必須といえます。対して、開発チームは製造が万が一遅れたとしても、テスト工程でリカバリできるのならば、2月28日のマイルストーンは必須ではなくオプショナルであるといえます。テスト完了後の検収はクライアントとの契約上必須なので、3月31日のマイルストーンは守られるべきです。

なぜマイルストーン・リストが必要なのか

マイルストーン・リストは、プロジェクトのスケジュール上にマイルストーンを置くために必要です。マイルストーン・リストには、プロジェクトの中で重要なポイントがすべて記載されています。

マイルストーンは、遅延が発生するとプロジェクト全体に多大な影響を与えるポイントです。マイルストーン・リストを作成しておくことでマイルストーンの漏れを防ぎます。

マイルストーン・リストがなければスケジュールが完成しません。

どのようにマイルストーン・リストを使うのか

マイルストーン・リストはプロジェクトマネージャによって作成されます。ただし、プロジェクトマネージャが独断で作成していいものではありません。

プロジェクトマネージャは、クライアントや各チームのリーダーなどプロジェクトのステークホルダー(利害関係者)を特定し、それぞれの見解を考慮しながらマイルストーン・リストを作成します。作成されたマイルストーン・リストをインプットの一つとして、各工程の順序を決め、スケジュールの必要なポイントにマイルストーンを置いていきます。

参考