コンセプトマップとは何か?学習効率を高める手法を解説
コンセプトマップの概要
コンセプトマップ(Concept Map)は、情報やアイデアを視覚的に整理し、関連性を示すために使用されるツールやテクニックの一つです。
主に教育、学習、問題解決、プロジェクト管理などの領域で活用されています。コンセプトマップは、複数の概念やアイデア、情報をノード(ノードは通常、楕円形や長方形などの図形で表現されます)と呼ばれる要素で表現し、それらのノード間を矢印や線で結んで関連性や階層構造を示します。
コンセプトマップの要素
コンセプトマップを作成する上で必要な要素について解説していきます。
ノード
ノードは、コンセプトマップ内で表現される基本的な概念やアイデアを示す要素です。通常、楕円形や長方形の図形で表現され、その中にテキストやキーワードが含まれます。ノードは、情報の要点を表し、それらのノードがリンクによって結ばれて関連性を示します。
リンク
リンクは、ノード間の関係を示す線または矢印です。リンクは、ノード同士を結びつけ、異なる概念やアイデアの関連性や階層構造を明示化します。リンクには、方向性がある場合があり、矢印を使って情報の流れを示すことがあります。
方向性
コンセプトマップ内のリンクには、方向性がある場合があります。これは、関係が一方向であることを示すための矢印を使用することを意味します。例えば、AからBへのリンクは情報の流れや影響を示すのに役立ちます。
その他
コンセプトマップではノードとリンク、方向性は必須要素ですが、この他にもカテゴリー分けや色分けなどをして、より視覚的に把握することもあります。
コンセプトマップの作成方法

ここからはコンセプトマップの作成方法を解説していきます。
テーマやトピックの決定
コンセプトマップを作成する前に、明確なテーマやトピックを決定します。何について情報を整理し、可視化する必要があるのかを明確にしましょう。
主要な概念やキーワードのリストアップ
関連する主要な概念やキーワードをリストアップします。これはコンセプトマップのノードになります。
ノードの配置
紙やホワイトボードなどにノードを配置します。ノードの位置は重要で、関連性や階層構造を考慮して配置します。
リンクの追加
ノード間の関連性を示すリンク(線や矢印)を追加します。リンクもノード間の関係性や階層構造を意識して記入していきます。
その他
ここまでの作業でコンセプトマップの基本的な形は完成です。
カテゴリー分けや色分けをする場合は、ここから対応していきます。
コンセプトマップはなぜ必要なのか?
コンセプトマップは教育分野で注目されています。
何かの学習を始める際に、コンセプトマップを作成すると学習効率が高まります[1]三宮真智子『メタ認知で〈学ぶ力〉を高める: 認知心理学が解き明かす効果的学習法』北大路書房、2018年、98頁。。
また、情報を整理する際にもコンセプトマップは有効です。
コンセプトマップに関連した手法
SQ3R法
SQ3R法は、学習や情報の効果的な読み取りと理解を支援するための学習戦略の一つです。「SQ3R」は「Survey(調査)」「Question(質問)」「Read(読む)」「Recite(暗記)」「Review(復習)」の各要素を表しています。
この中で「Survey(調査)」は事前に読むテキストの内容を把握することを示しています。
この「Survey(調査)」の作業をするのにコンセプトマップは有効です。
SQ3R法については下記の記事もご参照ください。
マインドマップ
コンセプトマップに似た手法にマインドマップがあります。
マインドマップとは、用紙の中央にテーマを書き、そこから連想されるキーワードを書き足していくことによって情報を整理したり新たなアイデアを生み出したりする手法のことです。
似ている2つの手法ですが、コンセプトマップが概念やテーマの関係性を整理するのに使われる一方で、マインドマップはアイデアを広げていく時など、クリエイティブな場面で使われます。
マインドマップについては下記の記事もご参照ください。
注
↑1 | 三宮真智子『メタ認知で〈学ぶ力〉を高める: 認知心理学が解き明かす効果的学習法』北大路書房、2018年、98頁。 |
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