感情的知性(EI)とは何か?EIとEQの違いを含めて解説

2021年3月5日

感情的知性(EI)の概要

感情的知性(Emotional intelligence)とは、感情を認識、制御、評価する能力を指します。"Emotional intelligence"を略して"EI"と呼ばれることもあります。
様々な場面で用いられる感情的知性ですが、PMBOKではチーム・マネジメントスキルであると紹介し、「自他の個人的な感情ではなく、集団の共感度も特定、評価、マネジメントする能力」であると解説しています[1]PMBOK第6版、701頁。

感情的知性(EI)の構成要素

感情的知性にはさまざまなモデルがありますが、以下の4つの段階があるとするモデルがあります[2]What Is Emotional Intelligence? および Emotional intelligence – Wikipedia

  • 感情の知覚
  • 感情による推論
  • 感情の理解
  • 感情の管理

ここからは、これらの段階を解説していきます。

感情の知覚

感情を理解するための最初のステップは、感情を正確に知覚することです。
多くの場合、これにはボディランゲージや顔の表情などの非言語的信号の理解が含まれます。

感情による推論

次のステップは、感情を使用して思考と認知活動を促進することです。簡単に言いかえれば、取り組んでいる仕事や作業に対し、自分を鼓舞できるような能力です。
感情的知性の高い人は、目の前の仕事に最もよく合うように、変化する気分を十分に活用することができます。

感情の理解

次の段階では、感情の意味と原因を解釈できるようになります。
私たちが知覚する感情には、さまざまな意味があります。
例えば久々に会った友人が怒りの感情をあらわにしていても、それはあなたに対して怒っているのかもしれませんし、会う前の道中でトラブルがあったのかもしれません。
このように誰かが怒りの感情を表現している場合、その人の怒りの原因とそれが何を意味するのかを解釈しなければなりません。
感情を正確に読み取り、その原因を説明できるようになるのが感情の理解です。

感情の管理

感情を効果的に管理する能力は、感情的知性の重要な部分であり、最高レベルの能力です。
この段階まで感情的知性を高めている人は、自らの感情を調整し、適切に対応するだけでなく、他の人の感情に対応することもできます。

EIとEQの違い

感情的知性(EI)とよく似た言葉にEQがあります。
EQは“Emotional quotient"を略したものであり、知能指数(IQ)と対比させて「感情指数」と訳されます。
つまり、EQとは、感情的知性を特定の指標で測ったものです。EQのテストを受けることで、感情的知性の一端を知ることができます。
ただし、人の知性をIQテストで完全に把握できないのと同様に、EQテストで人の感情的知性が全て把握できるわけではないという点には注意する必要があるでしょう。

感情的知性(EI)は高められるのか?

「IQは高めることができるのか?」という議論があるのと同様に、「感情的知性(あるいはEQ)は高められるのか?」という議論があります。
そしてIQ同様、感情的知性やEQが後天的に伸ばせる能力なのかどうかは、研究者によって意見が異なります。

プロジェクトマネジメントにおける感情的知性(EI)

プロジェクトマネジメントをする中で、感情的知性はチーム・マネジメントで効果を発揮します。
プロジェクト・マネジャーはチーム・メンバーの感情を特定し、評価し、コントロールするとともに、行動を予測し、関心事を認識し、課題を追跡していきます。
こうすることにより、チーム内の緊張を減少させ、連携を強化することができます[3]PMBOK第6版、349頁。
プロジェクト・マネジャーが感情的知性を発揮し、チームを上手くマネジメントできれば、チームの感情的知性も高まり、より協力的なチームが生まれ、プロジェクトの成功率を高めることができるだけでなく、メンバーの離職率を低下させることもできます。

参考

1PMBOK第6版、701頁。
2What Is Emotional Intelligence? および Emotional intelligence – Wikipedia
3PMBOK第6版、349頁。