プロジェクトとプログラム、ポートフォリオの関係と違いについて解説

2020年1月12日

プロジェクトマネジメントにおけるプロジェクトとプログラム、ポートフォリオとは?

プロジェクトとプログラム、ポートフォリオの関係図
プロジェクトとプログラム、ポートフォリオの関係図

プロジェクトマネジメントの中で、プロジェクト、プログラム、ポートフォリオという言葉が似たような意味合いで使われます。
簡単にいえば、プロジェクトのかたまりがプログラム、プロジェクトとプログラムのかたまりがポートフォリオです。
今回は、これらの用語の違いについて解説していきます。

プロジェクト、プログラム、ポートフォリオの意味

プロジェクトの意味

「プロジェクトとは何か?」の答えとして、 「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有機性のある業務[1]PMBOK第6版、4頁。 」 というプロジェクトマネジメントのガイドラインであるPMBOKの回答が有名です。

後に見るプログラムやポートフォリオとの関係でいえば、プロジェクトはプログラムやポートフォリオの構成要素と捉えればよいでしょう。

プロジェクトについては、以下の記事をご参照ください。

プログラム

巷には「3ヶ月ダイエット・プログラム」や「難関資格合格プログラム」などの売り文句があふれています。
プログラムにはさまざまな意味がありますが、これらの文句に使われている「プログラム」こそ、プロジェクトマネジメントで使われるプログラムです。
PMBOKではプログラムを以下のように定義しています。

調和の取れた方法でマネジメントする、関連プロジェクト、サブプログラム、およびプログラム活動。プロジェクトの個別のマネジメントでは得ることのできないベネフィットが得られる[2]PMBOK第6版、727頁。

要するに、プログラムとは効果を高めるためにプロジェクトをまとめたものと言えるでしょう。

例えば「難関資格合格プログラム」の中に「テキストAを終わらせる」「テキストBを終わらせる」「過去問を終わらせる」「模試でB以上をとる」といういくつかのプロジェクトが詰め込まれていたとします。
これらのプロジェクトは単体で行っても効果がありますが、さらに「難関資格合格」という目的を無駄なく、効果的に達成するために、まとめて行ったほうがよいものとなるため、「難関資格合格プログラム」としてまとめ上げています。

ポートフォリオ

経営学の中でポートフォリオマネジメントという言葉があります。
複数の事業領域にどのように資源を配分するかを考えるのがポートフォリオマネジメントですが、プロジェクトマネジメントの中で使用する「ポートフォリオ」という言葉もこれと同じです。
PMBOKではポートフォリオを以下のように定義しています。

戦略的な目標を達成するためにグループとしてマネジメントされるプロジェクト、プログラム、サブポートフォリオ、および業務[3]PMBOK第6版、734頁。

先ほどの「3ヶ月ダイエット・プログラム」や「難関資格合格プログラム」でいえば、ある人の「美容」や「キャリアアップ」というポートフォリオの構成要素になるかもしれません。
こうしたポートフォリオに対してどのようにお金や時間などの資源を使っていくのかを考えていくのがポートフォリオマネジメントです。

プロジェクトとは事業戦略である

今回はプロジェクトとプログラム、ポートフォリオの関係について見ていきました。
つまるところ、プロジェクトのまとまりがプログラムであり、それらが構成要素となる事業領域がポートフォリオです。
このように整理すると、プロジェクトというのがポートフォリオマネジメントを考える事業戦略の中でいかに重要なものであるかが分かります。
プロジェクトを失敗させないためにも、適切なプロジェクトマネジメントが必要だと言えるでしょう。

1PMBOK第6版、4頁。
2PMBOK第6版、727頁。
3PMBOK第6版、734頁。