プロジェクトとは何か?PMBOKの定義と定常業務との違いを解説

2019年10月27日

PMBOKによるプロジェクトの定義

PMBOKの定義に沿うと、プロジェクトとは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有期性のある業務[1]PMBOK第6版、4頁。 」 です。

プロジェクトの語源

プロジェクトの語源はラテン語で「前へ」を意味する"pro"と「投げる」を意味する"ject"から来ているとされています[2]projectの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
この語源が表すように、プロジェクトとは業務を前に進めていくことを意味していると言えるでしょう。

プロジェクトと定常業務

プロジェクトと定常業務の違い

プロジェクトと「ルーチンワーク」と呼ばれる定常業務との違いはどこにあるのでしょうか。
プロジェクトと定常業務をまとめると、以下のようになります。

出典:アイテックIT人材教育研究部(訳)『PMBOK(R)ガイド問題集第6版対応』アイテック、2018年、149頁の記述をもとに作成。
プロジェクト定常業務
期間有期日々のビジネス
マネジメントプロジェクトの要求事項を満たすために、知識、スキル、ツールと技法をプロジェクトのアクティビティへ適用するビジネス業務の監督、指揮、およびコントロールに関する責任をもつ
使用する資源共通して使うものもあるが、多くはプロジェクトごとに異なる基本的に同じ資源を繰り返し使う
必要なスキルプロジェクトマネジメント活動とスキル・セットビジネス・プロセス・マネジメント、定常業務マネジメント活動、およびスキル・セット

プロジェクトと定常業務の相互作用

プロジェクトと定常業務は以下の点で接点を持ち、相互に作用します[3]PMBOK第6版、16頁。

  • 新しいプロダクトの開発時、プロダクトのアップグレード時、またはアウトプットの拡大時
  • 定常業務あるいはプロダクト開発プロセスを改善している期間
  • プロダクト・ライフサイクル終結時点
  • 各プロジェクトの終結フェーズ

例えば提供しているプロダクトを新しく開発したり、アップグレードしたりする場合は、そのプロダクトを支えるために定常業務を変えなければなりません。
そして、プロダクトの開発プロセスを改善している時や提供しているプロダクトのライフサイクルが終わりになる時も、定常業務を行っているスタッフはサポートの仕方を変更していく必要があります。
各プロジェクトの終結フェーズも定常業務に影響を与えます。自社プロダクトのプロジェクトが終わるのであればそれをサポートする体制を整えなければなりませんし、定常業務をサポートするシステムを導入するプロジェクトであっても、その受け入れの準備をする必要があります。

1PMBOK第6版、4頁。
2projectの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
3PMBOK第6版、16頁。