PHPのバージョンアップでWordPressにエラーが出た時の対処法

PHPのバージョンアップでエラーが出たら

PHPをバージョンアップすると、プログラムの動作が速くなるなどのメリットがあります。しかし、バージョンアップすると、PHPでサポートしている関数などが変更されることもあり、結果として動作しているWordPressにエラーが発生することがあります。

たとえばWebページの上部にエラーのメッセージが表示される、画面全体が真っ白になるなどの現象です。
この記事ではPHPのバージョンアップでWordPressにエラーが出たときの対処法を解説します。

WordPress本体・プラグイン・テーマがPHPのバージョンに対応していない

WordPressは本体・プラグイン・テーマの3つによって構成されています。それぞれがPHPのプログラムで作られているため、PHPのバージョンアップの影響を受けることがあります。

WordPressの本体に関しては、WordPressの公式がしっかりとサポートしているので、エラーが発生したとしても、いずれ修正されるはずですが、プラグインとテーマに関しては、第三者が開発・公開していることもあり、必ず修正されるとは限りません。

特に公式ディレクトリ以外の場所で公開されているプラグインやテーマは「野良プラグイン」「野良テーマ」と呼ばれることがあるように、適切にメンテナンスされていないことがあります。

PHPのバージョンアップでWordPressにエラーが発生したときは、そのようなことを踏まえつつ対応しなければなりません。

エラーの対処法

PHPのバージョンアップでWordPressにエラーが発生した場合は、以下で解説する方法で対処します。

PHPのバージョンを戻す

PHPのバージョンアップでエラーが発生したわけなので、PHPのバージョンを元に戻すというのが、最も平易で確実な対処法です。根本的な解決策ではないのですが、今すぐエラーを無くしたい場合に効果的です。

エラーが発生している状態では、WordPressの操作やアップデートが思うようにいかないことが多いので、まずはPHPのバージョンを戻しておきます。

WordPress本体・プラグイン・テーマをアップデートする

いったんWordPressが正常に動作する状態にして、WordPress本体・プラグイン・テーマを最新バージョンにアップデートします。ここで管理画面からバージョンアップが可能であれば、管理画面で操作します。

管理画面からのバージョンアップに対応していないプラグインやテーマの場合、それぞれを公開している公式サイトから、最新バージョンが公開されているかどうか確認し、公開されているのであれば、手動でバージョンアップを試みます。その場合、サーバーにFTP接続してアップロードすることで対応します。

プラグインを無効化する

WordPressのエラーの中でもありがちなのが、一部のプラグインだけエラーが出るというケースです。この場合、以下の3つから対応を選択することになります。

  • バージョンアップなどでエラーに対応する
  • エラーが出るプラグインを停止する
  • エラーを出しながら使用を続ける

最も確実なのがプラグインのバージョンアップなどでエラーに対応する方法です。ただし、必ずしもバージョンアップでエラーに対応できるとは限りません。また、最新バージョンが公開されていないこともあります。

そのため現実的な対応策として、エラーが出るプラグインを停止するという策を選ぶことが多いでしょう。

具体的には、FTPでサーバーに接続して、該当するプラグインのフォルダ名を一時的な名前にリネームして、強制的にプラグインを停止させるなどです。

またエラーの内容によっては致命的でないこともあり、その場合、エラーを出しながら使用を続けることが可能です。ただ表面的でない部分でどのような不具合があるか分からないため、可能な限り避けるのが無難でしょう。少なくともクライアントワークで取るべき対応策ではありません。

PHPのプログラムを自力で修正する

もしPHPのプログラミングができるのであれば、プラグイン・テーマのプログラムを自力で修正して対応することも検討できます。エラーが発生している箇所を確認して、プログラムを書き換えたりコメントアウトしたりすることで、エラーが解消するかもしれません。

ただし第三者が公開しているプラグイン・テーマの場合、最新バージョンでエラーが解消できるのであれば、できるだけ最新バージョンのプラグイン・テーマを優先しましょう。いつまでも自分でメンテナンスし続けることは現実的ではないからです。

PHPはできるだけ推奨・最新バージョンを使う

一部のレンタルサーバーではPHPのバージョンを管理画面で簡単に切り替えられるようになっています。複数のバージョンを選択できるようになっていることが多いのですが、基本的に動作させるPHPのバージョンは「推奨されているバージョン」または「最新のバージョン」を使用すべきです。これらのバージョンを使うことで、脆弱性が解消されていたり、パフォーマンスが向上したりするからです。

しかしPHPのバージョンアップでWordPressにエラーが発生することがあるのは、この記事で解説した通りです。原則としてPHPは推奨されているバージョン、あるいは最新バージョンを使うことを前提に、エラーが発生したときに都度対応するのが賢明といえるでしょう。