ネットワーク機器のリンクが上がらないときの対処法を解説

2022年4月1日

リンクが上がらないときに考えられる原因

ネットワーク機器には、各ポートに「リンクランプ」がついています。
機器に設定を入れ、ケーブルを接続し、データの送受信ができるようになると、機器のリンクランプが点灯します。
リンクランプが点灯した状態を「リンクが上がる」といいます。

正しい設定、ケーブル接続が完了したにも関わらず、リンクが上がらない場合は、何らかの原因があります。
リンクが上がらない場合、どこに原因があるのか、ひとつひとつ確認していくことが必要です。

原因は、大きく分けると、物理面の問題と、設定の問題です。
それぞれ考えられる原因は、以下の通りです。

物理面の問題

  • 機器本体の電源が入っていない
  • ケーブルが接続されていない
  • ケーブルの種類が誤っている
  • ケーブル不良
  • ポート不良

設定の問題

  • ポートがシャットダウンしている
  • 設定が間違っている

以下では、ネットワーク機器のリンクが上がらないときに確認するポイントと、対処法を説明します。

物理面の確認ポイントと対処法

リンクが上がらない場合、まずは物理的な誤りがないか確認します。

機器本体の電源が入っているか確認する

機器本体の電源が入っていない場合、リンクは上がりません。
電源ケーブルの差し込みが甘い、電源スイッチを誤って押してしまったなどで、本体の電源が落ちている可能性があります。
まずは、本体の電源ランプが点灯しているか確認します。
点灯していない場合は、機器の電源を入れます。

ケーブルが正しく接続されているか確認する

機器のポートにケーブルが接続されているか確認します。
差し込みが甘いと、ケーブル接続を機器が認識しないことがあります。

また、ケーブルの対向が接続されていない場合も、リンクが上がりません。
対向の機器も同様に確認します。
ケーブルの接続に誤りがある場合、正しくケーブルを接続します。

ケーブルの種類を確認する

機器によって、使用するケーブルの種類が異なります。
ネットワーク機器のポートには、MDIとMDI-Xの2種類があります。
それぞれ受信と送信の端子が異なるため、ケーブルの使い分けが必要です。
スイッチ-スイッチ間の接続、スイッチ-PC間の接続など、「MDIのポート同士」、または「MDI-Xのポート同士」を接続するときは「クロスケーブル」を使用します。
スイッチ-ルータ間の接続など、「MDIのポートとMDI-Xのポート」を接続するときは、「ストレートケーブル」を使用します。

使用する機器に合ったケーブルを使用しているか確認します。
ケーブルの種類に誤りがあった場合、正しいケーブルを使用して接続します。

最近では、自動でMDIとMDI-Xを切り替える「Auto MDI/MDI-X機能」を持つ機器もあります。
Auto MDI/MDI-X機能を使う場合は、どのケーブルでも通信が確立するため、ケーブルの種類を気にする必要はありません。

ケーブルの状態を確認する

ケーブルの劣化、断線などで、ケーブルが破損している可能性があります。
他のケーブルと交換し、リンクが上がるか試してみます。
他のケーブルを使用してリンクが上がる場合、ケーブル不良が考えられるため、ケーブルを新しいものに交換します。

ポートの状態を確認する

機器本体のポートが故障している可能性があります。
ポートに設定が何も入っていない状態で、PCと機器をケーブルで接続し、リンクが上がるか試してみます。
リンクが上がらない場合、ポート不良が考えられます。
ポート不良の場合、メーカーに問い合わせをし、機器を交換してもらいます。

機器が納品された時点で、ポートが故障している場合もあります。
納品後、早い段階で全ポートの動作確認を行うことで、機器設定後に故障が発覚することを防げます。

設定の確認ポイントと対処法

物理的な誤りが見つからなかった場合、設定を確認します。

ポートがシャットダウンされていないか確認する

ポートが停止している状態を「シャットダウン」といいます。
ポートがシャットダウンしている場合、リンクは上がりません。
初期状態で、ポートにシャットダウンの設定が入っているネットワーク機器もあります。
ポートがシャットダウンになっていないか、設定を確認します。
シャットダウンになっている場合は、設定を変更します。

設定が間違っている

機器がリンクアップするには、該当の機器と、その機器と接続している対向の機器の設定が一致している必要があります。
ポートのspeed(伝送速度)、duplex(通信の方式)、アドレス等が一致しているか設定を確認します。
一致していない場合、対向機器と同じ値になるように、設定を変更します。

参考