VPNとは何か?その仕組みとIP-VPN、インターネットVPNの違いを解説

2022年9月8日

VPNとは

VPNVirtual Private Networkの略称で、特定の拠点間を結ぶ仮想的な専用回線のことです
VPNを利用すると、安全な通信経路を使って、セキュリティが担保された状態でデータのやり取りができます。VPNは一般的なインターネットとは異なり、決められたユーザーだけが利用できます。

今日、インターネットは誰でも利用することができます。インターネットは便利な反面、通信の傍受など、セキュリティ面での安全性が問題視されることがあります。
この問題を解決するため、従来利用されていたのが専用回線です。しかしVPNの登場によって、物理的な専用回線を引かずに、安全な通信経路を簡単に低コストで構築できるようになりました。

現在VPNは本社や支店同士をつなぐWANとしてはもちろん、社外から社内ネットワークに接続する際などに利用されています。VPNは、セキュアなネットワーク接続には欠かせない技術です。

VPNの仕組み

VPNでは、トンネリング、カプセル化、暗号化という3つの技術が使われています。
それぞれの技術は、通信するデータを外部から盗み見られないように保護する目的で使われます。
ここからはこれら3つの技術を解説していきます。

トンネリング

トンネリングは、通信のやり取りをする拠点間で仮想的なトンネルを作る技術です。通信経路に仮想的なトンネルを作って覆うことで、情報漏洩などのリスクを軽減します。

カプセル化

カプセル化は、通信するデータを通信プロトコルで包む技術です。カプセル化されたデータは、カプセル化が解除されるまで中身のデータを見ることができなくなります。

暗号化

データが途中で見られても、中身が判別できないようにする仕組みが暗号化です。IPSecなど暗号化の仕組みをもつプロトコルを用いて、データを暗号化します。

VPNの種類と特徴

VPNには、大きく分けてインターネットVPNIP-VPNという2つの種類があります。
2つに共通するのが通信レイヤー層であるL3であり、IPプロトコルを使用するということです。そのため、柔軟なカスタマイズはできませんが、簡単に導入できるメリットがあります。
以下では、インターネットVPNとIP-VPNそれぞれの特徴と、メリット、デメリットについて詳しく紹介します。

インターネットVPN

インターネットVPNは、インターネット回線を利用するVPNです。通常のインターネット回線に仮想的な通信トンネルを作ることで、セキュアな通信経路を確立します。

メリット

インターネットVPNのメリットは、専用線に比べて低コストで導入できることです。VPNを構築するための費用は必要ですが、構築後は基本的にランニングコストがかかりません。

デメリット

インターネットVPNは、パブリックな回線を使用するため、IP-VPNと比較して安全性が劣ります。また、他のトラフィックの影響を受けて、通信遅延が発生する可能性もあります。

IP-VPN

IP-VPNは、通信事業者の閉域IP網を利用するVPNです。通信事業者と契約したユーザーだけが利用できるバックボーン回線を利用して通信経路を確立します。

メリット

IP-VPNは、通信事業者専用の回線を利用するため、インターネットVPNと比較して、セキュリティレベルが高いというメリットがあります。また、外部のトラフィックの影響を受けず、安定した速度での通信が可能です。

デメリット

通信事業者が提供する閉域IP網を利用するのに利用料金が発生するため、インターネットVPNに比べてコストが高いというデメリットがあります。