イントラネットとは何か?インターネットとイントラネットの違いを解説

インターネットとは?

インターネット(Internet)は、相互に接続された状態(Inter)とネットワーク(Net)を組み合わせた言葉です。通信回線によって世界中のありとあらゆるコンピューターが繋がっている現代において、インターネットと言えば世界規模で相互接続された巨大なネットワークのことを指します。

特定の団体が運営している訳ではありませんが、インターネットを構築する上での資源管理は、アメリカの団体である「ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)」が対応しており、インターネット上の住所を表現するドメイン名や、IPアドレスなどの管理を行っています。
また、技術管理は、同じくアメリカの「IETF(Internet Engineering Task Force)」と呼ばれる団体が対応しており、技術の標準化について定義しています。

イントラネットとは?

インターネットとイントラネットの違いのイメージ画像

インターネットとよく似た言葉として「イントラネット(Intranet)」があります。

イントラネットとは、内部(Intra)とネットワーク(Net)を組み合わせた言葉であり、企業内などの限られた範囲内でのみ利用することができるネットワーク環境のことを指します。

インターネットと同様に通信プロトコルを利用して相互接続が行われますが、社内や関連するグループ企業間のみの閉じたネットワークで情報の共有が行えるようになります。

社内ルールや企業秘密、人事制度といった社外には出せない情報について相互共有を行う場合に利用されますが、イントラネット自体はインターネットとは切り離された環境での動作となるため、社外やグループ企業外からの接続は行えません。

イントラネットのメリット

業務の効率化、生産性の向上に効果がある

アクセス権限があればどの社員でも閲覧することができるイントラネットは、社内情報共有を迅速に行うことができます。

ネットワークが普及する前では、社内の情報共有は紙ベースの閲覧が主流でしたが、情報を発信してから共有したい社員に行き渡るまでタイムラグや資料にミスがあった場合の訂正を行うことが難しい欠点がありました。
イントラネットが普及したことで、ネットワークを介して共有したい情報を一斉発信することができるため、情報の更新や共有までのタイムラグを減らすことができます。

コミュニケーションの活性化が図れる

組織内では、同じ部署間の縦の繋がりを持つことは容易ですが、他部署といった横の繋がりについてはコミュニケーションが取りにくいものです。
しかし、イントラネットを利用すれば社内ネットワークによって情報の共有化を図れるため、お互いの意思疎通や方向性の浸透を行いやすくなり、コミュニケーションの活性化が図れます。

また、イントラネットでは双方向のコミュニケーションを行うことが可能となるため、一方的に情報を伝えるだけでなく、社内チャットなどで活発な交流を行うこともできます。

コスト削減が見込める

従来通りの紙ベースでのやり取りや書類を作成した場合、紙代やインク代といった費用がかかりますが、イントラネットの促進によりペーパーレス化が進めば、費用の削減を行うことも可能です。

また、紙媒体による資料は保管場所も必要であり、年数が重なるに連れて保管する資料も膨大となります。イントラネットによるペーパーレス化が進めば、サーバにデータとして保管できるようになるため、社内スペースの効率化にも期待できます。

イントラネットのデメリット

セキュリティ上の問題への対応が必要

イントラネットはインターネットと同じ仕組みとなるためセキュリティ面が脆弱となります。
セキュリティ対策を十分に行っておかないと、内部ネットワークに侵入され、コンピューターウイルスによって内部情報の流出や破壊、改ざんされる危険性があります。
ウイルス対策ソフトやファイアウォールにて許可していない不正なアクセスをブロックするなど、外部からの攻撃から守る対策が必要不可欠です。

また、イントラネットは権限のある社員があらゆる情報にアクセスできるため、不正に情報を引きだされることや改ざんされる可能性もあります。故意ではなくても、ミスによってデータの改ざん、流出が発生してしまうこともあるため、アクセス権の権限管理、アクセス履歴の管理を行うなど、細心の注意が必要です。

ネットワーク障害発生へのリスク

イントラネットはインターネットと同様の通信プロトコルを利用するため、ネットワーク障害が発生した際には利用することができません。

長時間のネットワーク障害となった場合は、復旧するまで一切のデータ閲覧が行えないといったことも発生し、会社全体の生産効率が大幅に低下してしまいます。全社員が利用するものである以上、障害が発生した際の影響も大きく反映されてしまう点は、イントラネットのデメリットとなります。

普段からネットワーク障害が発生した際の保守、サポート体制を充実させておき、障害発生時に迅速な復旧が行えるように対策しておくことが重要です。

インターネットとイントラネットの違い

イントラネットは社内やグループ企業間といった閉じた環境内でのネットワークであることに対し、インターネットは世界中を繋ぐネットワークとなります。通信回線により世界中の個人や組織との繋がりを持てるため、利便性や情報の得やすさは非常に大きな魅力となりますが、一度情報が公開されてしまうと消すことは不可能です。インターネットとイントラネットの違いを理解し、情報漏洩が発生しないような対策を行いましょう。

参考