ペルソナ分析とは何か?UXデザインやマーケティングで使われる手法を解説
実際に使用するユーザーの行動を考えながらデザインを行うUXデザインをする上で、「ペルソナ」というものを作成することがあります。
ペルソナとはもともと「仮面」を意味する言葉ですが、UXデザインやマーケティングで使用される場合は「象徴となる顧客像」という意味で用いられます。
このペルソナを作ることで、商品・サービスの最終的なゴールが明確になります。また、プレゼン資料としても説得力のあるものになります。
今回はペルソナ分析の基本を解説していきます。
ペルソナを作ってみよう
まずは完成形のペルソナを見てみましょう。
上の画像にあるように、ペルソナ作成では①プロフィール、②行動の特徴、③ニーズとゴールの情報を埋めていきます。
個別に詳しく見ていきましょう。
プロフィール
まずはプロフィールを作成していきます。名前は何か、どんな職業についているのか、趣味は何かなど、ユーザーのプロフィールを設定していきます。
ここで重要なのは、名前まで考えて商品・サービスを利用する個人をイメージすることが大切です。
そのため、「20代男性」「30代女性」というあいまいな表現は使用せず、年齢や仕事などを明確にしていくことが肝心です。
さらにペルソナを作成する場合は、よりユーザーのイメージがつきやすいように写真を掲載するのが一般的です。
行動の特徴
次に行動の特徴を見ていきましょう。
現在考えているユーザーがどのような手段で問題を解決するのかを考えていきます。
たとえば本を大量に読むのか、ネットで検索するのか、知り合いに聞いて回る人なのか…というように、行動の特徴をまとめていきます。
ニーズとゴール
最後にこのユーザーのニーズとゴールを考えていきます。
「幹事を任されたから、スマホで簡単に飲み会の場所を予約したい」
「ブラック企業に勤めているから時間がないが、転職活動したい」などなど。
提供する商品・サービスがこうして考えられたペルソナのユーザーにどの程度貢献できるか考えることが重要です。
ペルソナを作成するデータを集めよう
ペルソナを作成する場合は、ブレインストーミングなどの手法で社内で話し合ってもよいですが、データ的な裏付けも大切です。
たとえば、例として挙げた山下明さん(23)が1日に3時間はネットを利用するという設定が追加されたらどうでしょうか。
1日3時間というのは人によっては多く感じるかもしれません。
しかし、下記の総務省の統計をみると、20代男性であれば、1日平均171分もネットを利用しているので、山下明さんが3時間もネットを使用していると考えても大きな問題はありません[1]総務省情報通信政策研究所「平成 27年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」、13頁。。
このように、データ的な裏付けをしながら、現実離れしたペルソナを作らないようにすることが重要です。
総務省のような官公庁が提供しているデータもあれば、民間企業が発行している調査資料もあります。
あるいは、自社で行ったアンケートやWebサイトのアクセス解析なども、重要なデータとなります。
まとめ
今回はUXデザインで使用されるペルソナについて見てきました。
ペルソナは一度作ったら固定するものでなく、ブラッシュアップしていくことが重要です。行動の特徴やニーズ・ゴールで新しい知見が得られたら、情報を追加していきます。
また、1つのペルソナにこだわりすぎず、効果があらわれない場合は再度データを見直して、新たなペルソナを考えていくことも必要です。
参考文献
- 玉飼真一・村上竜介・佐藤哲・太田文明・常盤晋作・株式会社アイ・エム・ジェイ『Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで』翔泳社、2016年
- Jaime Levy『UX戦略 ―ユーザー体験から考えるプロダクト作り』オライリージャパン、2016年
- チャド・カマラ、ユジア・ジャオ『UXデザインのやさしい教本 UXデザインの仕事の実際、学習のヒントとアドバイス』エムディエヌコーポレーション、2016年