IFPUG法とは何か?ファンクションポイントの計測手法を解説
IFPUG法とは
ファンクションポイント法におけるIFPUG法とは、数あるファンクションポイントの計測手法の1つです。
IFPUGは“International Function Point Users Group"の略であり、1986年にアメリカに設立されたファンクションポイント法のユーザーによる非営利組織です。このIFPUGがファンクションポイントの計測手法を定義し、ソフトウェアとシステムエンジニアリングの規格であるISO / IEC 20926:2009の承認を得たものがIFPUG法です。
なぜファンクションポイントの計算に種類があるのか
なぜファンクションポイントの計算にいろいろと種類があるのでしょうか。
ソフトウェア開発の工数を見積もるファンクションポイント法は1979年にIBMの Allan Albrechtによって定義され、今日まで使用されている見積り手法です。
ファンクションポイントは開発するソフトウェアのタイプや複雑性によって計算されますが、この「タイプ」や「複雑性」という指標やファンクションポイントの計算方法の考え方に種類があるという状態です。
IFPUG法はファンクションポイントの計算手法の1つであり、この他にはCOSMIC法やNesma法があります。
IFPUG法を使ったファンクションポイントの計算の手順
IFPUG法を使ったファンクションポイントの大まかな計算手順は以下の通りです[1]FP 計測手法における FP 規模と工数の相関の差 – IPAより。
- 扱うデータを外部入力(EI)、外部出力(EO)、外部照会(EQ)、内部論理ファイル(ILF)、外部インタフェースファイル(EIF)の5つのタイプに分類する。
- 扱うデータごとに、「データ項目数」とそのデータに関連する「レコード種類数」を求め、それに従ってそのデータのファンクションの複雑さを3段階(低、中、高)に分ける。
- 各データに、ファンクションの複雑さに応じた重み係数を掛けて合計し、システム全体の未調整FPを求める。
- これまでの計算とは別に、対象とするシステムの特性を14の観点から0~5の6段階評価し、合計する(この合計値をXとする)
- システム特性係数= 0.65 +X × 0.01 を計算する。
- FP =システム特性係数×未調整FP
IFPUG法の用語
データファンクションとトランザクションファンクション
IFPUG法では外部入力(EI)、外部出力(EO)、外部照会(EQ)、内部論理ファイル(ILF)、外部インタフェースファイル(EIF)の5つのタイプをデータファンクションとトランザクションファンクションに分けています。
データファンクションとはデータを保持するための機能で、これに該当するのは内部論理ファイル(ILF)と外部インタフェースファイル(EIF)です。
他方、トランザクションファンクションは データを処理する機能であり、 外部入力(EI)、外部出力(EO)、外部照会(EQ)が該当します。
これらの分類をまとめると下の表の通りです。
データファンクション | トランザクションファンクション |
---|---|
内部論理ファイル(ILF)、外部インタフェースファイル(EIF) | 外部入力(EI)、外部出力(EO)、外部照会(EQ) |