デザインの4つの基本原則とは何か?『ノンデザイナーズ・デザインブック』から解説

デザインの4つの基本原則とは、良いデザインに必ずみられる以下の原則のことです。

デザインの4つの原則
  • 近接
  • 整列
  • 反復
  • コントラスト

今回は『ノンデザイナーズ・デザインブック』から、デザインの4つの原則を解説していきます[1]Robin Williams(著)、米谷テツヤ・小原 司(監修、翻訳)、吉川典秀(翻訳)『ノンデザイナーズ・デザインブック』マイナビ出版、2016年

近接

近接とは、関連する項目を近づけてグループ化させるという原則です。
近接を用いることで、情報の組織化に役立ち、混乱を減らし、明確な構造を読み手に示すことができます。

近接の原則の例 その1
図1

たとえば、写真の説明文を書くとします。図1の左側は、写真とその下のテキストが離れているので、テキストが写真の説明をしていると視覚的にはわかりません。
一方で、図1の右側は、写真のすぐ下にテキストが配置されているので、内容を読まずとも、説明文が書かれているだろうと推測できます。

近接の原則の例 その2
図2

また、図2の左側は、見出しAと見出しBの文章が離れているので、異なるテーマの話をしている印象を受けます。
一方、図2の右側では、見出しCと見出しDの文章が近いため、同じテーマの話をしている印象を受けます。

このように、近接の原則を用いて情報を組織化することで、読みやすいデザインになり、掲載されている情報を把握しやすくなります

整列

整列は視覚的つながりを持たせることで、デザインに一体性を持たせる原則です。

整列の原則の例 その1
図3

イベント情報の一覧など、図3のように類似する情報が並ぶことは多々あります。しかし、図3の状態では読み手はうまく情報を把握できません。

整列の原則の例 その2
図4

これを図4のように、同じカテゴリーの情報は同じ高さ、同じ文字の大きさでまとめると、見た目もよくなり、情報が把握しやすくなります。

反復

反復とは、色、形、テクスチャー、位置関係、線の太さ、フォント、サイズ、画像のコンセプトなどを反復させ、情報の組織化を促進し、一体感を強化するという原則です。
つまり、同じ要素が繰り返されるのであれば、同じデザインを適用し、同じグループの情報であることを示します。

コントラスト

コントラストとは、同一ではない要素をはっきり異ならせるという原則です。
異なる要素、とくに読み手に見てほしい情報は、目立たせることが大切です。

コントラストの例の画像
図5

たとえば、図5では、左側の文章は見出しと本文の差がほとんどありません。
一方で、右側の文章は本文に対して見出しが大きく書かれています。このように強弱をつけることにより、目立つ部分が読み手にはっきりと伝わり、情報を把握しやすくなります。

1Robin Williams(著)、米谷テツヤ・小原 司(監修、翻訳)、吉川典秀(翻訳)『ノンデザイナーズ・デザインブック』マイナビ出版、2016年