【リーダー必読】人を動かす「WHY」の力とは?サイモン・シネックのゴールデンサークル理論を解説

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「なぜ、あの人の言葉は部下の心を動かすのか?」
「なぜ、機能や価格は他社と変わらないのに、Apple製品には熱狂的なファンがつくのか?」

優れたリーダーや組織には、人々を惹きつけ、熱狂させ、自発的な行動を促す共通のパターンがあります。
それは、「何を(WHAT)」するかではなく、「なぜ(WHY)」するのかから語り始めているという点です。

今回は、著名人たちによる講演会『TED』において称賛され[1]https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action/c、その動画が6000万回以上再生されているサイモン・シネックの著書『WHYから始めよ!』から[2]サイモン・シネック(著)栗木さつき(訳)『WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはここが違う』日本経済新聞出版、2012年、人を鼓舞し行動させる法則について紹介していきます。

目次

人は何によって動かされるのか?

人を動かす方法は大きく分けて2つあります。
一つは「恐怖や報酬で操作する(Manipulate)」こと、もう一つは「奮起させる(Inspire)」ことです。

前者は一時的には機能しますが、忠誠心や信頼関係は生まれません。真のリーダーは後者を選びます。
では、どうすれば人を奮起させることができるのでしょうか?

その鍵は、メッセージの「順番」にあります。

「WHAT」から話す人、「WHY」から話す人

多くの人や企業は、自分たちが「何をしているか(WHAT)」や「どうやっているか(HOW)」を説明するのは得意です。しかし、「なぜそれをしているのか(WHY)」を語れる人は驚くほど少ないのが現実です。

以下の2つのメッセージを比べてみてください。

パターンA:WHATから始める(一般的)

「私たちは、素晴らしいコンピュータを作っています(WHAT)。
デザインは美しく、操作は簡単でユーザーフレンドリーです(HOW)。
一台いかがですか?」

これは論理的ですが、どこか味気なく、「ふーん、それで?」と感じてしまいませんか?
多くのマーケティングやプレゼンがこのパターンに陥っています。

では、Appleのように「WHY」から始めるとどうなるでしょうか。

パターンB:WHYから始める(Apple流)

「我々のすることすべては、世界を変えるという信念で行っています。私たちは違う考え方に価値があると信じています(WHY)。
私たちが世界を変える手段は、製品を美しくデザインし、使いやすく親しみやすいものにすることです(HOW)。
その結果、素晴らしいコンピュータが誕生しました(WHAT)。
一台いかがですか?」

パターンBの方が、圧倒的に魅力的で、共感を呼びませんか?

これが「WHYから始める」ことの威力です。
人々は、あなたが「何をしたか」にお金を払うのではなく、あなたがそれをやる「理由(信念)」に共感して行動するのです。

ゴールデンサークル理論とは?

サイモン・シネックは、このメカニズムを「ゴールデンサークル」というシンプルな図で説明しています。

ゴールデンサークルのイメージ画像
ゴールデンサークルの各要素
  • WHY(中心): 目的、信念、大義。「なぜ」それをやるのか?
  • HOW(中間): 手法、プロセス、差別化要素。「どうやって」やるのか?
  • WHAT(外側): 結果、製品、サービス。「何を」しているのか?

脳の仕組みとリンクしている

この理論が強力なのは、人間の脳の構造と一致しているからです。

脳の仕組みとゴールデンサークル理論
  • WHAT(大脳新皮質): 言語や論理を司ります。機能やスペックを理解します。
  • WHY(大脳辺縁系): 感情や信頼、意思決定を司ります。しかし、ここには言語能力がありません

「理由はうまく言えないけど、これがいい」と直感で選ぶ時、動いているのは大脳辺縁系(WHY)です。
だからこそ、スペック(WHAT)だけを並べ立てても、相手の意思決定(WHY)を直接刺激することはできず、「頭では分かるけど、心は動かない」という状態になってしまうのです。

事例:なぜAppleは特別なのか?

Appleがコンピュータだけでなく、スマホ(iPhone)や音楽プレーヤー(iPod)でも成功を収められたのは、彼らが単なる「コンピュータメーカー」ではなかったからです。

もし彼らがただのメーカーなら、「私たちはコンピュータを作っています」という枠(WHAT)から出られなかったでしょう。
しかし、彼らの根底には「現状に挑戦する(Think Different)」という強力なWHYがありました。

Appleと”Think Different”
  • 「現状に挑戦する」ために、コンピュータを作る。
  • 「現状に挑戦する」ために、音楽業界を変える(iPod)。
  • 「現状に挑戦する」ために、携帯電話を再発明する(iPhone)。

製品(WHAT)は変わっても、中心にある信念(WHY)が一貫しているからこそ、私たちはAppleの製品なら何でも「Appleらしい」と感じ、熱狂的なファンになるのです。

まとめ:あなたの「WHY」を見つけよう

人を動かす真のリーダーシップとは、権力を行使することではありません。
「なぜ、私たちはここにいるのか?」「なぜ、このプロジェクトをやるのか?」という目的を共有し、周囲をインスパイア(鼓舞)することです。

明日からの仕事で、少しだけ伝え方を変えてみませんか?

WHYの見つけ方
  1. 自分のWHYを言語化する: あなたがその仕事をする「理由」は何ですか?
  2. WHYから伝える: 部下や同僚に指示をする時、「何を(WHAT)」だけでなく、「なぜ(WHY)」から話し始めてみてください。

「WHY」から始まるメッセージは、きっと相手の心に届き、自発的な行動を引き出すはずです。

1 https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action/c
2 サイモン・シネック(著)栗木さつき(訳)『WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはここが違う』日本経済新聞出版、2012年
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