ゴーレム効果とは何か?ピグマリオン効果との違いをその語源を含めて解説

2021年10月21日

X理論・Y理論の効果

XY理論ではスタッフの性格によって、マネージャーが採るべき管理法は変わるとされています。

では、X理論・Y理論の各管理法が採られると、スタッフにどのような効果が表れるのでしょうか。

今回はX理論が生み出す「ゴーレム効果」、Y理論が生み出す「ピグマリオン効果」について考えていきましょう。

ゴーレム効果

X理論の行動モデルを持つスタッフは、人から命令されることを好み、責任を好まず、野心を持たず、何よりもまず安全を望んでいます。

そのため、X理論の行動様式を持つスタッフに対してマネージャーは細かに命令を指示し、報酬や罰則でコントロールしながら監督することが肝要です。

しかし、そのような対応を続けていくと、X理論のスタッフはますます指示待ちの人間となってしまい、言われなければ何も動かず、報酬がなければやる気も出しません。これを「ゴーレム効果」といいます。

ゴーレムとは何か?

ゴーレムはいろいろなファンタジー系の物語・RPGに登場します。主に泥人形のような形をしており、作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在です。

ドラゴンクエストの第1作目で登場するゴーレムはラスボスに近い耐久力を持ち、街の住民に言われてか、とくに何の感情もなく主人公を襲ってきます。この強さと寡黙さと忠実さを見れば、ゴーレムを欲しがる経営者がいるのも頷けるのですが、人間的にスタッフを扱っているとは言えませんね。

ピグマリオン効果

Y理論の行動様式を持つスタッフは、自ら立てた目標のために自己管理・自己統制を行い、適切な条件下では自ら進んで責任を取ろうとします。

こうしたスタッフに対しては、裁量や権限を与えていくことで、スタッフはますますやる気を高めていきます。このように、マネージャーの期待に対して、よりモチベーションを高めていく効果を「ピグマリオン効果」といいます。

ピグマリオンとは?

ピグマリオン効果の名前になっているピグマリオンとは何でしょうか?

これはギリシャ神話にでてくるキプロス島の王・ピュグマリオーンをモデルとしています。Wikipediaに詳しい説明が掲載されていますので引用してみましょう。

現実の女性に失望していたピュグマリオーンは、あるとき自ら理想の女性・ガラテアを彫刻した。その像を見ているうちにガラテアが服を着ていないことを恥ずかしいと思い始め、服を彫り入れる。そのうち彼は自らの彫刻に恋をするようになる。さらに彼は食事を用意したり話しかけたりするようになり、それが人間になることを願った。その彫像から離れないようになり次第に衰弱していく姿を見かねたアプロディーテーがその願いを容れて彫像に生命を与え、ピュグマリオーンはそれを妻に迎えた。

引用:ピュグマリオーン – Wikipedia

なぜ、これが「ピグマリオン効果」につながったのでしょうか。

その理由はピュグマリオーンが強く願ったことが現実となったことにちなんで、マネージャーがスタッフに対して「このような人物になってほしい」と思ったことが現実となるということにかけています。