プロジェクトにおけるリソース(resource)とは何か?

2020年6月21日

リソースの概要

「リソース(resource)」といえば「資源」を表す英単語です。英単語の"resource"は、名詞では「供給源」「資金」「資源」「資産」などの意味を持ち、動詞では「調達する」「提供する」「準備する」という意味を持ちます。これらの英訳からもわかるように、リソースとは、準備しなければいけない資源のことを意味しています。
この意味が転じて、仕事の中で「リソースの確保」などという言葉で使われる場合は、 業務上必要となるヒト・モノ・カネを指しています。
通常の業務(定常業務)では、あらかじめ必要なリソースが揃っている状態で仕事をすることが多いのですが、プロジェクトではリソースも1から確保していかなければなりません。

プロジェクトにおけるリソースの事例

上述の通り、リソースはパソコンや事務用品、会議室、従業員など、業務上に必要なヒト・モノ・カネという経営資源を意味しています。
しかし、使われる場面や状況によっては、「リソース」という言葉はより具体的な内容を示していることがあります
そのため、文脈にあわせて今「リソース」という言葉が何を意味しているのかを考えていかなければなりません。
ここではリソースの一例を紹介していきます。

プロジェクトにおけるリソース

プロジェクトの中で「リソース」という言葉は以下のように使われます。

  • 十分なリソースがあるので、A社からの追加依頼は対応可能です。
  • 開発部の残業が先月の倍になっているのは、リソースが足りないのが原因です。

プロジェクト中に「リソース」といった場合は、プロジェクトメンバーや資金、設備、情報などをリソースと呼びます。
とくにデザイナーやコーダーなどの人的資源を指していることが多く、ベンダー側が「今手がいっぱいで依頼を受けられないです」ということを遠回しに伝えるために、「リソース不足で対応できません」と表現することがよくあります。

実装におけるリソース

いざデザインをしたり、コーディングを行う際に「リソース」という場合は、以下のように画像・テキスト・アイコン・ダイアログ・メニュー内容などの必要な素材や情報を指す場合もあります。

  • プログラミングするためのリソースは揃っています。

ただし、「リソースがないので対応できません」とデザイナーやコーダーが言った場合は、自分自身の空き時間を意味していることがあるので、注意が必要です。
そのため、「リソースがない」といわれた場合は、「素材が揃っていませんか?」「お忙しいですか?」などと、リソースが指している意味を確認しておいた方がよいでしょう。

ソフトウェアやハードウェアを動作させるためのリソース

ソフトウェアやハードウェアの話をしている際に「リソース」という言葉がでてきたら、メモリ容量やハードウェア容量、CPUのコア数などを指していることが多いです。
例えば、以下のように使われます。

  • リソースが足りないからシステムの処理が終わりません。
  • データが多くなってきたので、リソースを拡大したい。

前者の例文はCPUやメモリ、後者はハードウェア容量を指しています。

リソースを確認する必要性

プロジェクトの中では、リソースを確認することが大切になります。
ここからは、リソースを確認する必要性について簡単に説明していきます。

プロジェクトに必要な資源を確認し、スケジュールを立てるため

プロジェクトでは、最終的な成果物を得るために「何が必要になるか?」を考え、それを用意していかなければいけません。
そして集めた資金・資材・人材をどのように使用し、配分していくかという情報が必要となります。
さらに、プロジェクトに必要なリソースを考えることは、スケジュールの作成にも影響していきます。
例えば、必要な資材が届くのが2週間後であるのに、1週間後からその資材を必要とする作業を開始することはできません。
正しいスケジュールを立てて計画通りに進めていくためには、リソースの情報の整理と確認が不可欠です。

リソースの最適化ができる

上述の通り、リソース配分を考えることもプロジェクトを進める上で欠かせません。
下記の表を参考にして欲しいですが、リソースには再利用可能なものと不可能なものがあります。
材料や資金など、再利用不可能なものを過剰に持ってしまうと無駄になってしまい、ロスの分の利益が出なくなってしまいます。そのため、適正なリソース配分を考えるためには、情報の棚卸しをしましょう。

 再利用可能複合スキル柔軟性学習・成長
設備××
材料××××
資金×××

プロジェクトメンバー間で情報共有ができる

リソースの情報を整理しておくとプロジェクトメンバー間で情報共有ができます。
例えば、システム開発では、画像・テキスト・アイコン・ダイアログなどのリソースがあります。プログラム開発をする上で、どのようなリソースを使用するのかをプロジェクトメンバー間で共有しておくことによって、開発をスムーズに進めていくことができます。

リソース関連用語

リソースには、資源マネジメントやリソースモニターなどの関連用語もあります。
ここからはリソースの関連用語をご紹介していきます。

資源マネジメント(リソースマネジメント・リソース管理)

人材も資金も資源も無限にあるものではありません。また、これらが過剰になっていても無駄が出てしまいます。そのため、管理が必要不可欠です。このような人的・物的な資源管理を「資源マネジメント」といいます。「リソースマネジメント」とも、「リソース管理」とも呼ばれます。
先ほど「リソースを確認する必要性」でご紹介した内容は、この資源マネジメントに関わる内容です。

資源カレンダー(リソースカレンダー)

資源カレンダーとは「各資源を投入可能な作業日およびシフトを示す日程表」のことを指します。
資源カレンダーはプロジェクトでどのような資源がいつ・どのくらいの期間必要なのかを表すものですが、大きくプロジェクトとして何がいつ必要なのかを表すだけでなく、各アクティビティがいつどのような資源を求めているのかを資源カレンダーとしてまとめていくこともあります。

リソースモニター

IT用語で、ハードウェアやソフトウェアの容量の使用状況を確認できるシステムのことをいいます。OSやソフトの種類に応じて、起動方法は異なるので、使用機器に応じて確認が必要です。