Webサイトリニューアル開始までの流れ ~情報収集からRFP作成、プレゼンと業者選定までの流れを解説~

2021年6月29日

今回はWebサイトのリニューアルを考えた時に、プロジェクトを始める前に必要な準備のプロセスをご紹介していきます。

Webサイトのリニューアルを考えたらRFPを作成する

「Webサイトのデザインが古くなってしまった」「Webサイトの更新に時間がかかっているから、CMSを導入して業務効率を上げたい」というように、さまざまな理由でWebサイトはリニューアルされます。
しかし、何も準備せずに業者を選んでしまうと、発注側が要望していた機能を実現できなかったり、リニューアルは完了したものの、ほしい機能が漏れていたということになったりします。
このような事態を防ぐために、Webサイトのリニューアルをする際にはRFP(提案依頼書)を作成し、それを基準にして業者を選定するとともに、RFPを作成する中でそのプロジェクトで実現しなければならないことを整理しておく必要があります。

リニューアルプロジェクト開始までの大まかなスケジュール

Webサイトのリニューアルを開始するまでにRFPを作成し、それを基に制作会社から提案をもらい、業者を選定する場合、大まかなスケジュールは下の図1のようになります。

業者選定までの大まかなスケジュールのイメージ
図1:プロジェクト開始までの流れ

時間にやや余裕を持たせていますが、業者の選定まで10ヶ月ほどの時間を見ておいた方がよいでしょう。
ここからは、上記のスケジュールに沿って、何を検討していけばよいのかを詳しく見ていきましょう。

情報収集

Webサイトをリニューアルするにあたって、まずは情報収集を行っていきます。
流行りのWebデザインや、現在必要と考えている機能の実現方法、SEOの施策などを調査していきます。
しかし、こうした調査は専門家でなければ難しい部分も多々あります。
そのため、情報収集のためにRFI(情報提供依頼書)を作成し、目ぼしいWeb制作会社に情報収集を呼び掛けることもあります。
このRFIは現在考えているリニューアルの構想を文書化し、Web制作会社が状況を把握しやすくするために作成します。
しかし実際にはRFIを作成せず、Web制作会社に問い合わせをして最近のWebサイトの流行などをヒアリングすることも多々あります。
そのため、時間が許せばRFIを作成し、どうしても手が足りない場合はリニューアルを考えていることをWeb制作会社に伝え、口頭で情報提供を呼び掛けてもよいでしょう。

要望の収集

Webサイトの情報収集と並行して、組織内の要望を収集することも忘れてはいけません。
Webサイトのプロジェクトはステークホルダーが多くなることが予想されるため、関係者を洗い出し、彼らの要望を聞いておく必要があります。
例えば、単に自社の製品を紹介するだけのWebサイトであっても、製品を販売しようとする「営業部門」、その広告を考えている「広報部門」、そしてWebサイトを管理する「情報システム部門」の3部門が関わりあっているということがよくあります。
そのため、ある特定の部門だけでリニューアルを進めてしまうと、組織内でもめ事が起きてしまうだけでなく、他部署の要望を汲み取ることができず、効果的なWebサイトが作れないということが起きてしまいます。
こうしたトラブルを招かないためにも、Webサイトの関係者にヒアリングを行い、彼らの要望を汲み取ることが大切です。
関係者もWebサイトの専門家ではないため、彼らが抱えている課題を解消するために、どのような機能が必要なのかが分からないということが多々あります。
そのため、RFIによってWeb制作会社に情報提供を求める前に、関係者へのヒアリングまで完了しておき、そこで洗い出されたWebサイトの課題を解決するのにどうすればよいかということをWeb制作会社に教えてもらうのも手です。

参考見積の依頼

組織内で話し合い、Webサイトリニューアルで実現したい内容が決まってきたら、その内容をWeb制作会社に話し、参考見積をもらいます。
これは実際に発注するために見積をもらうのではなく、予算額を把握するために使います。
あまりにも高価になってしまい、予算がない場合は、予定していた機能の中の一部だけをリニューアルの要件として盛り込むということもあります。
そのため、Web制作会社に見積を依頼する場合は、機能ごとに細かく金額を見積ってもらうと便利です。

要件の整理

上述の通り、参考見積が手に入ったら、金額を見ながら、今回のリニューアルプロジェクトに盛り込む要件を整理していきます。
これも特定の部署だけで進めてしまうと、その部署の要望ばかりが実現されてしまうということが起きてしまうため、再度関係者を招集し、プロジェクトの要件を決めていきます。

RFPの作成

今回のWebサイトリニューアルで実現する内容が決まったら、RFPを作成していきます。
RFPに記述する主な項目は以下の通りです。

  • プロジェクト概要
  • 業務・システム概要
  • 機能要件
  • 非機能要件
  • 開発条件
  • 提案依頼事項
  • 提案手続き
  • 評価
  • 契約事項

これらの内容について、詳しくは下記のページをご参照ください。

このRFP作成がリニューアル準備の最大の山場です。
たっぷりと準備期間を設け、不足のないようにしていきましょう。

RFPの提供

RFPが作成出来たら、それを目ぼしいWeb制作会社に送り、プロポーザルへの参加を呼びかけます。
官公庁であれば、公告として発表することもあります。
このRFPに関しては質問を受け付け、場合によってはRFPの説明会を実施することもあります。

プロポーザルの実施

RFPに記載した日時にプロポーザルを実施します。
各社1回のプレゼンテーションで終了する場合もあれば、数回プレゼンテーションを実施することもあります。

業者の選定

RFPに応じたWeb制作会社の提案が完了したら、その中から1社を選ぶことになります。
大切なことは、RFPに記載した評価基準を基に、価格だけで業者を選ばず、力量や提案内容などを見て、総合的に判断することです。
こうした手法を多基準意思決定分析と呼びます。この多基準意思決定分析については、下記のページをご参照ください。

契約の締結

業者の選定が完了したら、あとは契約を締結するのみです。
ただし、完全に安心せずに、選定した業者の提案内容に虚偽がないかどうかなどを厳しくチェックする必要があります。

まとめ

以上、今回はWebサイトリニューアルが始まるまでの準備期間の流れを解説してきました。
情報収集をし、RFPを作成し、業者を選定するまでの流れは以下の通りです。

  • 情報収集
  • 要望の収集
  • 参考見積の依頼
  • 要件の整理
  • RFPの作成
  • RFPの提供
  • プロポーザルの実施
  • 業者の選定
  • 契約の締結

こうした準備がなければ、時間と労力、そしてお金を費やしたにもかかわらず、思ったようなWebサイトができないという事態が発生してしまいます。
そうしたトラブルをさけるためにも、念入りに準備をしていきましょう。