【WordPressにはライセンスはない!?】WordPressのライセンスを正しく理解しよう

2023年6月9日

目次
  • 1. WordPressのライセンスの基本を確認
  • 2. 100%GPLとスピリットライセンス
    • 2.1. 100%GPLとは?
    • 2.2. スピリットライセンスとは?
  • 3. ライセンスを把握してソフトウェアを適切に使おう
  • 4. 参考

WordPressのライセンスの基本を確認

WordPressはオープンソースのソフトウェアであり、GPL(General Public License)というライセンスが採用されています。
WordPressの公式サイトにおいても、以下のように記述されています。

WordPress はフリーソフトウェア財団 によって公開・維持されている GPL というライセンスを採用しています。

WordPressで採用されているGPLというライセンスについて、詳しく見ていきましょう。

GPLとは?

GPLとは、フリーソフトウェア財団(FSF)が公開しているソフトウェアのライセンス形態のうちの1つです。

GPLのソフトウェアは、ソースコードの公開や再配布を前提としており、GPLのソフトウェアを改変した派生物もGPLが適用されることが特徴です。

通常の著作物はコピーライト(Copyright)型であり、開発者がソフトウェアの著作権を主張して、許可のない使用や改変、再配布を禁じています。

一方、GPLはコピーレフト(Copyleft)型であり、著作権を保有しつつも不特定多数に普及させることを目的としています。そのため使用や改変、再配布も許可なく行えます。

GPLの4つの自由

GPLは自由ソフトウェアという言葉を定義しており、あるプログラムが自由ソフトウェアであるためには、次の4つの自由を有するとしています[1]https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.ja.html

4つの自由
  • どんな目的に対しても、プログラムを望むままに実行する自由
  • プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて改造する自由
  • ほかの人を助けられるよう、コピーを再配布する自由
  • 改変した版を他に配布する自由

このように4つの自由を掲げていますが、これらはソフトウェアを商用にすることを妨げるものではありません。たとえ商用のソフトウェアであるとしても、ソースコードの公開や再配布を前提としているのが、GPLの4つの自由が主張していることなのです。

100%GPLとスピリットライセンス

WordPressのプラグインやテーマは派生物という扱いであり、それらのライセンスは「100%GPL」か「スピリットライセンス」から選択可能です。
WordPressの公式サイトでは、以下のように述べられています[2]https://ja.wordpress.org/2009/07/03/themes-are-gpl-too/

結論として、提示された WordPress テーマは WordPress の著作権の元にあるコードの派生物を含んでいます。それぞれ独自の作品である画像、CSS、PHP ファイルをまとめたこれらのテーマは、全体的を GPL ライセンスにする必要はありません。むしろ、PHP ファイルは GPL ライセンスの要件に制約されるが、画像や CSS はそうではないと言えます。サードパーティのテーマ開発者は、希望するなら制限付きの著作権を適用することができます。

つまり、WordPressのライセンスであるGPLに影響するのはPHPファイルのみで、CSSや画像、JavaScriptなどには適用されません

WordPress本体のように全てのファイルが完全にGPLに準拠したライセンスが「100%GPL」であり、PHP以外のファイルをGPL外にするライセンスを「スピリットライセンス」と言います。

100%GPLとは?

100%GPLとは、PHPに加えてCSSや画像、JavaScriptなど全てのファイルがGPLに準拠しているライセンスのことです。

WordPressの公式ディレクトリに掲載されている、テーマやプラグインは100%GPLに準拠する必要があります。WordPressのコミュニティにおいても、配布するテーマやプラグインを100%GPLに準拠させることを強く推奨しています。

またテーマやプラグインを100%GPLで公開することで、開発者はWordPressのイベントに登壇したりスポンサーになれたりするメリットがあります。

スピリットライセンスとは?

スピリットライセンスとは、PHPだけがGPLに準拠しており、それ以外をGPL非互換としたライセンスのことです。

一部の有料のテーマやプラグインは、再配布や複数サイトでの使いまわしを禁止していることがあります。このように開発者がテーマやプラグインの使い方に制限を加えたい時は、スピリットライセンスとして公開する必要があります。

ライセンスを把握してソフトウェアを適切に使おう

WordPressでWebサイトを運用していても、ライセンスを意識することはそれほど多くないでしょう。

しかし、スピリットライセンスが採用されている有料のテーマやプラグインの中には、再配布や使いまわしを禁じていることがあり、うっかり複数サイトに導入してしまうと、ライセンス違反になってしまうこともあります。

また、使いまわしができるテーマやプラグインだからといって、100%GPLとも限りません。

テーマやプラグインを導入する際には、事前にライセンスや利用規約を確認して、自分が希望する使い方ができるかどうか検討しておきましょう。

参考

  • https://blog-bootcamp.jp/start/wordpress-license/(2023年6月5日確認)
  • https://manuon.com/wordpress-theme-gpl/(2023年6月5日確認)
  • https://ureshi-design.com/2018/08/27/wordpress-gpl/(2023年6月5日確認)
  • https://funfunjp.com/reuse-wordpress-theme(2023年6月5日確認)

1https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.ja.html
2https://ja.wordpress.org/2009/07/03/themes-are-gpl-too/