“nice to have(あったらいい)”と”must have(なくてはならない)”の違い
PMF達成には何が必要か?
新規製品を世に出す時にはプロダクトマーケットフィット(Product Market Fit、PMF)を達成できるかどうかが重要といわれています。
PMFとは、簡単にいうと、「あなたの商品やサービスが、まさに求めていたと顧客に思ってもらえる状態」 のことです。
PMFが達成されると、顧客が自然に商品やサービスを広めてくれ、事業が大きく成長する可能性が高まります。また、その状況を見た投資家が、より大きな援助をしてくれる可能性も高まるでしょう。
一方で、このPMFを達成することは容易ではありません。
今回はマネーフォワード創業者の著書『失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと』から、そのヒントを考えていきます[1]辻庸介『失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと』日経BP、2021年。以下『失敗を語ろう。』と略記。。
マネーフォワードも失敗していた
マネーフォワードは、個人向けの家計簿アプリ「マネーフォワードMe」や企業向けの会計ソフトで急成長を遂げたベンチャー企業です。しかし、その成長の裏には、数々の試行錯誤と失敗が積み重ねられてきました。
創業当初、1年近くかけて開発したサービスは、わずか3か月で終了という苦い経験を味わいました。この失敗を機に、創業者である辻庸介氏は、製品・サービスのあり方について深く考えます。そして、創業者の辻庸介さんは"nice to have(あったらいい)"と"must have(なくてはならない)"の違いに注目します。
“nice to have"の製品・サービスは、確かにユーザーに喜ばれるかもしれませんが、継続的に利用されるかどうかは不確かです。
一方、"must have"の製品・サービスは、ユーザーにとって不可欠なものであり、一度使い始めると、継続して利用される可能性が高くなります。
どのようにして"must have"の製品・サービスを作るのか
では、どのようにすれば"must have"の製品・サービスを作れるのでしょうか。
そこに唯一の解答は無いものの、辻さんは「徹底的にユーザーの声を聞くこと」と述べています。
徹底的にユーザーの声を聞き、製品・サービスを改善していくことがPMF達成のシンプルな方法かもしれません。
注
↑1 | 辻庸介『失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと』日経BP、2021年。以下『失敗を語ろう。』と略記。 |
---|