効率的に記憶できる勉強方法とは?~「精神科医が教えるムダにならない勉強法」から学ぶ~
「資格試験やテストに向けて効率よく勉強したい」
「今よりスキルアップをしたいけど、忙しくて時間がない」
今回はこのような悩みがある方に向けて、樺沢紫苑の『ムダにならない勉強法 : 精神科医が教える』から、勉強した内容を効率的に記憶できる方法をご紹介します[1]樺沢紫苑『ムダにならない勉強法 : 精神科医が教える』サンマーク出版、2017年。以下『ムダにならない勉強法』と略記。。
勉強の第一歩は、「勉強法」を知ること
勉強を始める際に、一番大切なことは「勉強法」を勉強することです。
『ムダにならない勉強法』の著者である樺沢先生は、塾の講師をしていた経験から、「成績の悪い子」の特徴は以下の3点があると考えました[2]『ムダにならない勉強法』54頁。。
- 勉強が嫌い
- 集中力が続かない
- 勉強法を知らない
この3つの要素の中で最も重要な点が「勉強法を知らない」ということです。「勉強法を知らない」という問題は、その他の「勉強が嫌い」「集中力が続かない」の原因にもなっています。
そのため、勉強する内容が決まったら、まずは「勉強法の調査」をすることが大切です。
勉強法とは「勉強するための方法」ではありません。いわば、「勉強を開始する前の戦略」です。
その戦略が間違っていれば、勉強時間を費やしても思ったような結果は出ません。
樺沢先生は、正しい勉強法を学ぶことで、結果は9割決まると言っています。
効率よく記憶できる勉強法3つ「脳楽勉強法」
ここからは、内容を効率よく記憶できる勉強法を紹介していきます。
樺沢先生は、楽しさを感じた時にドーパミンが出るという脳の仕組みを利用した「脳楽勉強法」を提唱しています[3]『ムダにならない勉強法』76~86頁。。
ドーパミンが出ると集中力や記憶力が高まり、学習した内容が記憶に定着しやすくなります。
ここからは、その脳楽勉強法を紹介していきます。
ちょい難勉強法
ちょい難勉強法とは、その名のとおり、自分の現在の能力と照らし合わせた時に、少し難しい内容に挑戦する勉強法です。
たとえば、以下の3冊の中で、最も学びが大きいのはどの本でしょうか?
- 知らないことが1割書かれている本
- 知らないことが3割書かれている本
- 知らないことが7割書かれている本
この中で最も学びが大きいのは、「知らないことが3割書かれている本」とされています。
知らないことが1割しかなければ、脳は退屈をしてしまいますし、7割も知らないことがあれば、難しすぎて楽しさを感じなくなってしまいます。
そのため、自分の実力と比べて「ちょい難」のものを選ぶことによって、学びを最大化させることができます。
コツコツ勉強法
毎日30分勉強する「分散学習」と、日曜日にまとめて3時間半勉強する「集中学習」だと、「分散学習」の方が記憶に残りやすく、学習効果が高いといわれています。
分散学習の方が、復習の回数が増えることで記憶に残りやすくなり、毎日コツコツやることで、ドーパミンが分泌される頻度が高まります。
集中学習の場合だと、勉強の結果で分泌されるドーパミンは1週間に1度しかありませんが、分散学習だと毎日ドーパミンが分泌されます。毎日勉強することで、脳は勉強が楽しくなり、勉強がやりたくてどうしようもない状態を作ることができます。
レコーディング勉強法
脳は「ご褒美」を喜びます。「ご褒美」になるものが、「小さな成果」です。
そのために「記録」は欠かせません。
記録を続ける限り、毎日「報酬」を得て、ドーパミンを出し続けることができます。
「数値の変化」「微細な成果」「ちょっとした結果」でも、脳は「ご褒美」ととらえて、ドーパミンを分泌します。結果としてモチベーションが高められます。
お山の大将勉強法
『ムダにならない勉強法』では、「お山の大将勉強法」という面白い勉強法も紹介されています。
これは学校や会社など、所属している組織で一芸に秀でて、他の人のサポートをしていくという勉強法です。
信頼を得て、感謝されることにより、勉強に対するモチベーションを上げていきます。
インプットとアウトプットを繰り返すことで記憶を定着させる
インプットした内容を定着させる方法は、アウトプットをすることです。
『ムダにならない勉強法』では、効果的な割合を「インプット3:アウトプット7」としています[4]『ムダにならない勉強法』161頁。。
インプットの2倍強の時間をアウトプットに充てましょう。
以下、インプットとアウトプットの例をご紹介します。
【インプット(読む・聞く)】
・参考書を読む
・講義動画を視聴する
【アウトプット(書く・話す)】
・学んだことを要約してノートにまとめる
・問題集を解く
・勉強した内容を誰かに説明する
この時、アウトプットが重要だと思い、いきなりアウトプットから始める人がいますが、インプットなしでは良いアウトプットはできません。まずはインプットから始めていきましょう。
アウトプットを前提としたインプットをすることで、インプット効率を上げることができます。
このインプットとアウトプットの関係については、下記の記事もご参照ください。
さいごに
今回は効率的に記憶できる勉強方法についてご紹介しました。
覚えたことを実践することで、さらなる自己成長に繋げることができます。
日々の勉強が捗らないと感じる方は、ぜひ参考にしてみてください。