作業効率を高めるオフィス・レイアウトとは何か?4つのレイアウトから学ぶ職場の快適さ

2022年11月17日

どのようなオフィス・レイアウトにすればスタッフの生産性は高まるのでしょうか?今回は『ひらめきを生み出すカオスの法則』から、4つのレイアウトの効果を考えていきます。

4つのオフィス・レイアウトの内、最も生産性が高まるのはどれ?

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今回考える4つのレイアウトは以下のとおりです。

  • リーン型
  • 装飾型
  • 自由設計型
  • 自由剥奪型

ここからはこれら4つのレイアウトの内容を見ていきましょう。

リーン型

リーン型オフィス・レイアウトのイメージ画像

リーン型とは、整理整頓を徹底し、清潔でモノが少ないオフィス・レイアウトのことです。
無駄がないことを意味する「リーン(lean)」の名のとおり、そのオフィスでは無駄なモノがなく、デスクや椅子、PCなど、必要最小限のオフィス用品だけが用意されています。

無駄なモノに気を取られず、作業に集中できそうなオフィス環境です。

装飾型

装飾型オフィス・レイアウトのイメージ画像

装飾型とは、リーン型に加えて、観葉植物やポスターなどで装飾するオフィス・レイアウトのことです。

リーン型だと殺風景すぎるので、装飾をほどこしたものがこのオフィス・レイアウトです。

自由設計型

自由設計型オフィス・レイアウトのイメージ画像

自由設計型は、備品はリーン型や装飾型と同じであるものの、そのレイアウトはそこで働くスタッフに任せるという手法です。

スタッフは観葉植物を自由に設置しても良いですし、リーン型にすることも可能です。

自由剝奪型

自由剝奪型オフィス・レイアウトのイメージ画像

自由剥奪型とは、自由設計型でスタッフが考えたオフィス・レイアウトを、後から別の人がリーン型や装飾型に再設計することです。
これはオフィス・レイアウトの手法というよりは、これまでのオフィス・レイアウトの効果を際立たせるために存在している手法です。

生産性が高まるオフィス・レイアウト

オフィス・レイアウトの効果

以上、4つのオフィス・レイアウトを紹介しました。『ひらめきを生み出すカオスの法則』によると、生産性は以下の順番で高まりました[1]ティム・ハーフォード(著)、児島修(訳)『ひらめきを生み出すカオスの法則』TAC出版、2017年、81~83頁。

  1. 自由設計型
  2. 装飾型
  3. リーン型
  4. 自由剝奪型

最も生産性が高まったのは、自由設計型のオフィス・レイアウトでした。装飾型、リーン型がそれに続くのですが、そこで働いたスタッフは自由設計型に比べてオフィスが退屈だったと感じていました。

一方、自由剥奪型では生産性を下げてしまい、せっかくオフィスを設計したスタッフはオフィスや会社に不満を感じてしまいます。

誰が設計するかが重要

4つのオフィス・レイアウトの実験からわかるのは、オフィス・レイアウト自体が生産性に影響するのではなく、「誰が設計したか」が生産性に影響しているということです。

自由設計型も自由剝奪型も、最終的にはリーン型か装飾型のいずれかのオフィス・レイアウトになります。
しかし、自由設計型では生産性が高まり、自由剝奪型では生産性が低下しました。
ここから、オフィス・レイアウトそのものよりも、スタッフは自分たちで設計したオフィス環境に快適さを感じて生産性を高め、強制されたオフィス環境に不快感を覚えて生産性を低下させることがわかります。

1ティム・ハーフォード(著)、児島修(訳)『ひらめきを生み出すカオスの法則』TAC出版、2017年、81~83頁。