Linux技術者認定試験・LPICとは何か? ~試験概要と対策、LinuCとの違いを解説~
Linux技術者認定試験の概要
Linux技術者認定試験は、NPO法人Linux技術者認定機関が行う試験で、サーバーを扱うインフラ系エンジニア向けのベンダー資格です。Linux技術者認定試験は、Linuxの技術者を認定するための試験で、3つのグレードに分かれています。
LPICとLinuCの違い
Linux技術者検定試験には、LPICとLinuCがあります。
大きな違いがなく、どちらを取得してもLinuxのスキルを証明できます。資格のグレードも、どちらも3つで、問われる出題レベルはほぼ同じですが、出題される問題が一部異なります。
LPIC
LPICは、LPIの日本支部が運営する試験です。試験問題は全世界共通であり、LPICを取得することで、世界で通用するスキルがあることを証明できます。
ただ、元々英語で作られた問題を日本語訳にした試験問題のため、試験中に不自然な日本語が出てくる場合もあります。また、運営団体では以前から試験問題の流出が指摘されているという課題もあります。
LinuC
LinuCは、LPI-Japanが運営する試験です。LPICにおける試験問題の不自然な日本語や、問題流出を受けて独自にLinuCとして試験を実施しています。
LinuCは日本のみで行われる試験で、日本の法人が独自に作った試験問題を使用します。「日本市場に最適化した試験&運用サービス」というスローガンのもと、試験内容が日本市場に合わせて作成されているのが特徴です。
LPICのグレード
Linux技術者認定試験LPICは、3つのレベルにわかれています。
各レベルと試験内容は以下の通りです。
LPIC level1
レベル1では、Linuxの基本的な操作と、システム管理の知識や技術が問われます。合格することで、サーバーの基礎知識があることを証明できます。レベル1を取得するには、101試験と102試験の両方に合格することが必要です。受験に実務経験が必要なく、誰でも受験可能です。
LPIC level2
レベル2では、Linuxの高度な管理、運用技術、環境構築が問われます。また、トラブルシューティングに関する内容も出題されます。レベル1の内容を、より専門的な内容に深めた試験です。
レベル2を取得するには、201試験、202試験に合格することが必要です。誰でも受験可能ですが、レベル2として認定されるためには、レベル2の試験と合わせて、レベル1の試験に合格している必要があります。
LPIC level3
レベル3は、LPICの最上位試験です。300試験、303試験、305試験、306試験いずれかひとつに合格することで、レベル3に認定されます。305試験と306試験は英語のみです。各試験は、ひとつの分野に特化した試験問題になっています。そのため、合格することで、その分野のエキスパートエンジニアであることを証明できます。
300試験では、Linuxを含め異なるOSが混在する環境での技術、303試験では、セキュリティを実装するための技術が問われます。また、305試験では、仮想化技術のスキルやクラウドコンピューティングシステム、306試験では、高可用性クラスターストレージについて問われます。
LPICの試験概要
LPICは試験日や、試験会場の指定がありません。都合の良いタイミングで受験できます。
試験は全国のテストセンターで随時実施されています。試験方法は、CTB方式で、パソコン上で問題を解きます。合否の通知は、試験終了後パソコンの画面上に表示されます。
合格ラインは、試験により変動しますが、だいたい65%~75%程度と言われています。
問題数が60問程度であるため、42問程度正解できれば、合格圏内です。
LPICの学習方法
LPICに合格するためには、Linuxのコマンドや、サーバーの仕組みについて理解が必要です。
初めてLinuxを勉強する人は、まずは、PCにLinux環境を構築することがおすすめです。LPICには、選択問題だけでなく、実際のコマンドを打ち込むような問題もあります。実際にコマンドを打ちながら、操作することで記述問題の対策にもなります。
VitualBoxや、VMeareなど、Windows上で仮想的にLinuxを構築できるソフトもあります。机上で勉強し、暗記するだけでなく、実際にLinuxを触って理解を深めることが大切です。
LPICの参考書や問題集は、各出版社から発売されています。有名なものが、通称あずき本と呼ばれるLPI認定テキストです。情報量が多く、1冊でLPIC試験を網羅できる参考書ですが、初めてLinuxを学ぶ人には、内容が難しいかもしれません。その場合は、Linux初心者向けの本をまず読んでみることをおすすめします。