DIKWモデル(DIKWピラミッド)とは何か?
DIKWモデルの概要
DIKWモデル(DIKWピラミッド)は、情報の階層的な理解を示すモデルで、「データ (Data)」「情報 (Information)」「知識 (Knowledge)」「知恵 (Wisdom)」の4段階から構成されています。
このモデルは、データがどのようにして知識や知恵に変換されていくかを示し、知識管理や情報処理の分野でよく使われます。
DIKWモデルの構成要素
DIKWモデルの構成要素は以下のとおりです。
データ (Data)
データは最も基本的な要素で、事実や観測されたものを指します。
文脈や意味が付与されていない生の数値や記録、観測された現象などが含まれます。
例として、温度の数値やアンケートの回答結果などが挙げられます。
情報 (Information)
データが文脈に結びつき、何かの意味を持つようになった段階です。
例えば、「気温が30℃である」というデータが「気温が高い」と解釈され、情報として価値を持ち始めます。
知識 (Knowledge)
複数の情報が関連付けられ、経験や理解を基に、何をすべきかがわかる段階です。
情報が蓄積されるとパターンが見えるようになり、特定の状況下でどう行動するかの指針になります。
例として、気温が30℃を超えるときは水分補給が必要とわかることです。
知恵 (Wisdom)
知識を元にして、最適な判断や行動ができる段階です。
知識を応用し、より良い決断を下したり、問題解決を図る力が含まれます。
例えば、気温や他の情報に基づいて適切な対応を考えることができることです。
DIKWモデルが活用される場面
DIKWモデルは以下のような場面で活用されています。
ビジネスインテリジェンスと意思決定
ビジネスの中で、膨大なデータを分析し、重要な意思決定を行うためにDIKWモデルが利用されます。
たとえば、売上データをもとに販売戦略を立てる際、単なる数値(データ)から、その意味やトレンド(情報)、傾向の分析結果(知識)を経て、戦略的な判断(知恵)を導き出す過程が必要です。
データサイエンスとデータ分析
データサイエンティストやアナリストがデータを扱う際に、データの段階的な処理と価値の増加を視覚化するためのフレームワークとして使われます。
生データから有用な情報を抽出し、分析結果を知識として蓄積、最終的に意思決定の材料にする過程で活用されます。
教育・学習
知識や学びの深化プロセスを示すために、DIKWモデルは教育現場や学習プログラムで利用されます。
単なる事実を学ぶことから、情報の理解、応用、さらにはその知識を使った判断力の養成までの段階を示すことで、学習の効果的な進め方を理解するのに役立ちます。
ナレッジマネジメント
企業の知識管理(ナレッジマネジメント)において、従業員が知識を蓄積し共有するプロセスを構築する際、DIKWモデルが活用されます。
企業内で生み出されたデータを意味のある情報に整理し、それを知識化して共有、最終的に価値ある判断を生む知恵として活かすプロセスの理解に役立ちます。
ナレッジマネジメントについては、下記のSECIモデルも活用できるため、あわせてご参照ください。
ITシステムの開発・管理
ITシステムや情報管理の設計において、データがどのように情報として管理され、ユーザーが知識や判断材料として利用できるかを明確にするために、DIKWモデルが使われます。
データを集約し、情報に変換し、最終的にユーザーに価値ある知識を提供するシステム構築の指針として活用されます。
人工知能と機械学習
AIや機械学習の分野でも、膨大なデータを情報や知識としてモデル化し、賢い意思決定を支援するための枠組みとして利用されます。
モデル訓練のプロセスで、データが意味を持ち、予測や判断につながる知識が生まれる流れを理解するための基礎としてDIKWモデルが役立ちます。