リレーサーバーとは何か?メールを中継させることのメリット・デメリットを解説

2021年1月29日

リレーサーバーの概要

リレーサーバーは、主に「メールリレー」と呼ばれる機能で使用されるサーバーです。特にメールマガジンなどで大量のメールを送信する機会の多いビジネスにおいて活用されることが多い技術です。

メールリレーとは、主に送信に特化したサーバーを中継してメールを送信することを指します。メールを送信するプロトコル(通信の手順・規格)を「SMTP」と呼ぶため、SMTPリレーと呼ばれることもあります。

「リレーサーバーを中継してメールを送信する」とは

「リレーサーバーを中継してメールを送信する」とはどういうことでしょうか?
一般的なメールでは、複数のサーバーが連携して送信・受信を行っています。その中でもメールの送信を担うのが「SMTPサーバー」と呼ばれる種類のものです。
送信者がメールを送信すると、まず自身のSMTPサーバーへ働きかけ、そこから相手先へとメールが送られます。
ビジネスではメールマガジンや自動返信など、一度に大量のメールを送信することがあります。
しかし、主にプロバイダが提供するメールサーバーは、メールの大量送信に上限を設けていることがほとんどです。
これは迷惑メールの防止や、サーバーへの負荷を予防するためでもありますが、大量に送信することが多いビジネスメールは、設けられた上限を超えやすくなります。
そのため、もともと使用していたメールサーバーではなく、大量のメール送信に特化した「リレーサーバー(SMTPサーバー)」を使い、相手先へメール送信を行います
このようにしてリレーサーバーを中継して、メールを送信します。

リレーサーバーを使用するメリット

ここからはリレーサーバーを使用するメリットを紹介していきます。

コストの改善

通常のサーバーを使用してメールを大量送信すると、メールの送信に時間がかかったり、時にはメールが届かないことがあります。
また、このような大量送信はサーバーに負荷をかけるため、通常のメールの送受信にも影響を与えることがあります。
自社のメールサーバーを増強するにしても、サーバー増強には時間やお金などのコストがかかり、さらにビジネスが拡大するほどサーバーも増強しなければならない……という状況にも陥ります。
メールという機能は時間帯を問わず使用されるため、24時間体制でサーバーを管理する人員も必要です。
もちろん一企業や個人の単位でリレーサーバーを用意することも可能ですが、維持には多くのコストがかかるでしょう。

ビジネスでリレーサーバーを使用する場合、リレーサーバーをサービスとして提供している企業に委託する形が多くなるでしょう。
この場合、自社のメールサーバーを増強するよりもコストを抑えやすくなり、ビジネスの拡大にも柔軟に対応できます。
また配信に特化しているサーバーを外注することにより、発送確認といった自動で配信されるトランザクションメールなどもより手軽に利用しやすくなります。

メールの到達率の改善

時々、送信したはずのメールがお客様のもとに届かないことがあります。
これは受信側から迷惑メールとして判断されてしまい、送信したメールが受信拒否されてしまった例です。

迷惑メールとして判断される基準に、「送信元メールサーバーのIPアドレスの評価」があります。
このIPアドレスの評価のことを「IPレピュテーション」と言いますが、これが下がってしまうと、信頼度の低いメールとして処理されやすくなってしまいます。
しかし、IPアドレス評価の管理には専門的な知識や技術が必要で、コストもかかります。
通常の企業でこれを管理するのは困難ですが、評価の高い外部のリレーサーバーを使用することで、メールの信頼度を高め、到達率を改善することが可能です。

参考