力の場の分析(「綱引き」の発想法)とは何か?課題に働くプラスの力とマイナスの力を考える

2021年12月17日

力の場の分析の概要

力の場の分析とは、社会心理学者のクルト・レヴィンが考え出した発想法で、「綱引き」の発想法とも呼ばれます。
力の場の分析では、「最高のシナリオ」「最悪のシナリオ」を想定し、それぞれのシナリオに働くプラスの力とマイナスの力を考えていきます。

力の場の分析の手順

綱引き表のイメージ
表1:綱引き表

力の場の分析の手順は以下のとおりです[1]Michael … Continue reading

  • 解決しようとする課題を記述する
  • 最高のシナリオと最悪のシナリオを書く
  • 状況を構成する諸条件のリストをつくる
  • 綱引き表に書き込む

力の場の分析の結果、表1のような綱引き表が作成されます。
表1は「販路の開拓」を課題に設定して、綱引き表を作成したものです。「販路の開拓」という課題の最高のシナリオは「販路開拓成功」、最悪のシナリオは「販路開拓失敗」になります。
それらのシナリオに対して、その状況を構成する条件や制約をリストアップしていきます。たとえば、「良質」であることは「販路開拓成功」のための条件の1つです。
一方、他社製品に比べて「高価」であるということは、「販路開拓失敗」の要因になります。
このように状況を構成する条件や制約をリスト化し、それらの条件・制約に対して「最高のシナリオ」に押しやる力を「+」の列に、「最悪のシナリオ」に引っ張る力を「-」の列に記載していき綱引き表を作成していきます。

綱引き表が完成したら、その綱引き表を見ながら「どのようにして最高のシナリオを実現できるか、近づけるか」を考えていきます。それには以下の3つ方法があります。

  • 長所を最大限に伸ばすこと
  • 短所を最小限に抑えること
  • プラスの力を増やすこと

力の場の分析のメリット

力の場の分析を用いるメリットは以下の通りです[2]Michael … Continue reading

  • 課題をより明確に限定できる
  • 最大限に強化しうる長所とは何であるかを明確にできる
  • 最小限に抑えうる短所とは何であるかを明確にできる

1,2Michael Michalko(著)、斎藤勇(訳)、塩谷幸子(訳)、小沢奈美恵(訳)『アイデアのおもちゃ箱―独創力を伸ばす発想トレーニング』ダイヤモンド社、1997年、126頁。