ヴァージニア・サティアの変革モデル(Satir’s Change Model)とは何か?

ヴァージニア・サティアの変革モデルの概要

「ヴァージニア・サティアの変革モデル」(Satir’s Change Model)は、人々が大きな予期せぬ変化にどのように対処するか示したモデルです。
改善はいつでも可能であるという考え方がベースとなっており、感情・思考・パフォーマンス・生理学に与える影響がモデルの各段階で示されています。
このモデルはアメリカの心理学者ヴァージニア・サティアが元々は家族療法のために開発しました。
サティアは家族をシステムとして捉えてモデルを開発したことから、このモデルは組織の変化にも当てはめられると考えられビジネス分野にも応用されています。

ヴァージニア・サティアの変革モデルの5つの段階

ヴァージニア・サティアの変革モデル

ヴァージニア・サティアの変革モデルには5つの段階があります。
縦軸をパフォーマンス、横軸を時間とする図で示すことができます。

第1段階:古い現状

第1段階は均衡のとれた現在の状況で、「古い現状」や「初期の現状」などと呼ばれます。
この段階では、パフォーマンスは大きく変動することなく安定しており、人々は変化の必要性は感じていません。
作業方法が確立しているのでいつものようにしていればビジネスがうまく回り、将来の予測も可能だからです。
ところが、この状況に「外部要素」が入ってくると変化が引き起こされます
外部要素には新しいテクノロジー、新しいプロセス、仕事の変更などがあります。
これらの外部要素が現状を変えるきっかけとなり、次の段階へ移行します。

第2段階:抵抗

変化が起こると人々は抵抗します。
抵抗はパフォーマンスの急激な低下につながります。
多くの場合、人々は変化を無視するか拒否しようとし、次の段階へ進んでいきます。

第3段階:混沌

予測のできない状態のためパフォーマンスは最低レベルに低下します。
変化の影響を受け始めた人々はさまざまな反応を示します。
古い現状から得ていた安心感や安定感を失って不信感や否定感を抱いたり、現状を守ろうとして抵抗を続ける人もいるかもしれません。
一方、混沌から抜け出そうとさまざまなアイデアや行動を試そうとする人々も出てきます。
多くの場合、パフォーマンスが最低点に達した時に「アイデアの転換」が発見されます
新しい現実に対処する方法が見出されると、人々は混沌から抜け出し、仕事のパフォーマンスも向上し始めます。

第4段階:統合

発見されたアイデアの転換を統合して実践する段階です。
関係者全員のコミットメントによって試行錯誤を繰り返すことで新しい作業パターンを見出します。
その実践を通して新しい習慣と知識を具体化していきます。
これによってパフォーマンスが向上します。
通常、パフォーマンスは外部要素が作用する前の古い現状よりも高くなります。

第5段階:新しい現状

変化によってもたらされた新しいアイデアが組み込まれ、新しい現状として落ち着きます。
適切に方向転換が行われていればパフォーマンスが安定します。
将来的にこの現状が第1段階の古い現状となり、新しく改善のための変革が行われていく可能性があります。

変革のための各段階におけるリーダーの役割

古い現状:改善が必要であることをチームが理解し考えられるように、メンバーの創造性、リスニング、学習機敏性を刺激する。
抵抗:目標を設定して変化後の価値を確立し、メンバーに共有する。
混沌:リスニングフレームワークの確立などメンバーへのサポートシステムを検討し、提供する。
統合:変化が着実に定着するようメンバーに反復と学習を推奨する。
新しい現状:パフォーマンスに対する全体的な影響を確認および監視し、学んだ教訓を資産として残す。

変革モデルのメリット・デメリット

このモデルのメリットは変化が実際に起こる前に変化の影響を予測できる点、変更プロジェクトを正確に正当化できる点です。
一方、デメリットは実行可能で測定可能なフレームワークによってサポートされている場合にのみ有効である点、リーダーによる指示が必要な点です。

参考

手法・技法改善

Posted by promapedia