オブリーク・ストラテジーズとは何か?意図してアクシデントを起こすことで発想を広げる手法
オブリーク・ストラテジーズとは

オブリーク・ストラテジーズ(Oblique Strategies)とは、アーティストのブライアン・イーノ(Brian Eno)とペーター・シュミット(Peter Schmidt)が共同で作成した発想法です。
オブリーク・ストラテジーズでは様々な言葉が記されたカードを用い、その言葉に従うことで、発想を拡張させようというものです。
もともとは音楽活動のために使用されていた手法ですが、今日ではアイデア出しの手法として、広く使われています。
オブリーク・ストラテジーズの導入方法
オブリーク・ストラテジーズの仕組み
オブリーク・ストラテジーズはブライアン・イーノとペーター・シュミットが独自に考えていた発想法が、1970年代に統合されて生まれました。
オブリーク・ストラテジーズは抽象的で格言めいた文章が書かれたカードを使います。
そのカードに記された文章に従うことで、固定化した考えを打ち壊し、新しいアイデアを取り入れていきます。

カードの例
ここからは、オブリーク・ストラテジーズのカードに書かれていたと言われるいくつかの文章を紹介しましょう[1]Oblique Strategies – Wikipedia(2022年10月31日閲覧)。
- 古いアイデアを使用します。
- 問題をできるだけ明確に言葉で述べてください。
- 各種類の要素は 1 つだけです。
- あなたの親友はどうしますか?
- 何を増やす?何を減らす?
- セクションはありますか?トランジションを検討してください。
- 真似してみる!
- 隠された意図としてあなたの過ちを尊重してください。
- あなたの体に聞いてください。
- 別の速度で作業します。
カードの入手法
今日、日本でオブリーク・ストラテジーズのカードを入手することは困難です。
しかし、これらのカードはスマートフォン用アプリやWebサイトなどの電子媒体で利用することができます。
オブリーク・ストラテジーズを実践する場合は、これらのツールを利用するか、これらのツールで表示される文章を書き写してカードを作るとよいでしょう。
オブリーク・ストラテジーズの効果
オブリーク・ストラテジーズの目的
オブリーク・ストラテジーズのカードに書かれている言葉は、容易に実現することができないものばかりです。
たとえば、新曲のアイデアを考えている中で「楽器の役割を変えてみる」と書かれたカードを引いてしまったらどうでしょうか?
新曲を考えるだけでも一苦労であるのに、その上楽器の役割を変えるというのは至難の業です。
しかし、オブリーク・ストラテジーズの狙いはまさにこの点にあります。あえてアクシデントを起こすことによって、アイデアを刺激するのがオブリーク・ストラテジーズの目的です。
警戒心を持つ
オブリーク・ストラテジーズのカードの一筋縄ではいかないお題に直面することで、人は警戒心を持つことができます。
たとえば作曲活動をしている場合でも、同じ状況や同じスタッフだとマンネリ化し、アイデアが生まれにくくなります。
そうした中でオブリーク・ストラテジーズのカードを使うことにより、適度な緊張感や警戒心が生まれ、思考が刺激されます。
新しいアイデアに出会う
オブリーク・ストラテジーズのカードに書かれた荒唐無稽な言葉は、新しいアイデアに出会うきっかけにもなります。
新しいアイデアは定型化したこれまでの手法を捨てることにも繋がり、大きな変化をもたらします。
参考
- A Primer On Oblique Strategizing(2022年10月31日閲覧)
- Brian Eno – Wikipedia(2022年10月31日閲覧)
- Oblique Strategies – Wikipedia(2022年10月31日閲覧)
- Peter Schmidt (artist) – Wikipedia(2022年10月31日閲覧)
- ティム・ハーフォード(著)、児島修(訳)『ひらめきを生み出すカオスの法則』TAC出版、2017年
注
↑1 | Oblique Strategies – Wikipedia(2022年10月31日閲覧) |
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