良質な仮説とは何か?仮説思考を深めるための方法を解説

2023年2月6日

マーケティングには良質な仮説が必要

ビッグデータ活用など、マーケティングにおいては膨大な量の情報の活用が必須です。
データサイエンスのように、データから情報を適切に読み取ることも大切ですが、マーケティングにおいてはその目的、課題に対する仮説設定が重要です。

仮説とは課題に対する仮の答えです。
この答えを明確にしないと、分析すべき情報が広がり過ぎて時間もコストも膨れてしまいます。
では、明確で良質な仮説を生み出すにはどのようにすればいいのでしょうか。
今回は『マーケティングリサーチとデータ分析の基本』から良質な仮説を生み出す「仮説思考」について解説します[1]中野崇『マーケティングリサーチとデータ分析の基本』すばる舎、2018年。

良質な仮説とは

良質な仮説はインプットの質と量によって決まります
また、課題に対するアクションを図れる程度には具体化することが必要です。
深く考えずにSNSなどを鵜呑みにするだけでは、良質な仮説になりません。
良質な仮説は思考を深め、インプットの質を高めることで生まれます。

仮説思考を深めるための方法

ここからは、仮説思考を深め、良質な仮説をアウトプットするための方法を解説します。

テーマを体系的、多面的にインプットする

テーマに対し課題と関連する部分を調査するだけでは不十分です。
まずはテーマ全体を調査し、その構造や体系を理解する必要があります。
全体を理解するには、書籍がおすすめです。
多面的に捉えるために、様々な角度や正反対の捉え方をしている書籍を複数読むことで理解が深まります。

得た情報を自分の言葉でアウトプットする

インプットした情報を自分の言葉で仮説としてアウトプットしていきます。
その仮説に対して「なぜ」を繰り返し因果関係を掘り下げていくことで、新たな仮説が複数生まれます。
その仮説を検証した上で他者に見てもらうことでフィードバックを得られ、さらに仮説の質を高めることができます。

良質な仮説は閃きから生まれる

膨大な情報からインプットとアウトプットを繰り返すことでアイデアが生まれます。
情報量を増やすことで潜在意識から課題に対する答えが導かれ、論理的に考えたアイデアよりも精度が高まる可能性があります。
この精度を高めるには、普段から心を動かすものやトレンドに触れることが大切です。
五感で触れればインプットの質も高まります。
トレンドに対し、なぜ流行っているのか、なぜ心を動かすのかなどを消費者と企画者の立場で考えれば、さらに仮説思考を深めることができます。
深い思考から生まれた良質な仮説を検証しさらに精度を高めれば、実行可能なアクションプランに結び付けることができます。

1中野崇『マーケティングリサーチとデータ分析の基本』すばる舎、2018年。